日本財団 図書館


新しい船舶設計はまた、新しい掘削装置技術も組み込んでいるし、それ故掘削効率の大きな改善が得られることとなるであろう。これらの従来の大きさの掘削船は大型船型掘削船に比べてかなり小さいが、造船所は、船体鋼材が違うだけで、船舶機関と掘削システムは同じであるという理由で、より大型の排水量の掘削船以上の費用削減を提示してはいない。

 

3.4 係留式船型又はバージ型掘削船

係留固定された船型及びバージ型掘削船は、浅くて穏やかな環境の海域で広く利用され、タレット係留式掘削船は中位から厳しい環境の下で首尾良く使用されてきた。自己独立式チェーン・ワイヤ組合せ係留システムは、巨大であるがために、タレットに組み込むことは実現不可能である。超深海係留システムは、船型の外形に据え付けられ、また、単一方向からの穏やかな気象環境に対して適している。そのような環境は西アフリカや他の赤道近くの海域に存在する。係留式船型又はバージ型はおそらく、(掘削とFPSO用の)2つの大きな必要機材を単一の大型浮体構造物上に組み込むことができるので、FPSO形状を組み合わされた油井開発に充てられるであろう。

 

3.5 大排水量セミサブ型掘削船

セミサブの設計は第一に、厳しさを増した環境条件に対する性能及び操作性について開発が進められてきた。第2世代から第4世代の設計は、最終的には50,000L.T.を超えるようなより大きな排水量になる発展段階での設計であった。増加傾向にあるバリアブルロード能力と環境影響による運動を減じることが、これらの設計の目的のように見えた。JACK BATESのような構造物はまれに、最も過酷な環境の海域においてさえ掘削できるモーション・コンペンセータの運用を要求してきた。船体動揺を大いに減じる例として、大型大排水量のポンツーンは動揺を抑え、船舶の全体の容積と慣性モーメントを増加させる。これらの設計の大型ロアーハル形状は結果として、中程度の水深においてさえも大潮流力に耐え大型高破壊強度を持つ係留システムを必要とした。

第2世代から第4世代までのセミサブの設計開発に課せられた目標は、超深海セミサブの設計目標とは一致していない。超深海用に要求される最小バリアブルロードは、2、3の第4世代の北海仕様設計以外の全てのものを超えている。メキシコ湾中央海域の超深海鉱区で通常見受けられる高湾流において操業可能とするような第1期セミサブの開発について、殆ど検討がなされなかった、大排水量セミサブをこれらの高潮流要件に適合するように設計することは概念的にフィージブルであるが、非常にハイパワーのDPシステムかスラスタ・アシストを伴った12点の超深海係留システムのどちらかを要求することとなるであろう。これは、新しい中排水量設計を超える優位な点は殆どないことを表している。しかしながら、大排水量第5世代セミサブの設計はなおも、北海の穏やかな潮流の海域での操業に活用される。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION