A Cautionary Note
天然ガスハイドレートの抑制剤として混合塩分を使用する場合には、それに先だって必要な温度範囲における混合塩分溶解液の溶解点と結晶点の相互を確認しておくべきである。
Conclusions
・ コンピュータモデルにより、異なる化学的性質を有する流体の天然ガスハイドレート生成を抑制する能力を幅広い温度・圧力に対して、素早いシミュレーションの実施が可能となった。
・ 異なる比重の天然ガスに対するガスハイドレート生成のモデルが構築された。
・ プログラムの出力は、現場での使用に対して十分な精度を有している。
・ より多くの実験データが利用可能になれば、本プログラムはより多種の塩分、アルコール分を入力パラメータとして取り扱えるように拡張することが可能である。
・ 「一つのサイズは全てにフィットしない。:“One size does not fit all”」ガスハイドレートの生成抑制能力において、ある流体の組成は全ての大水深掘削に適切に対処できるものではない。ある場合にはより簡単な化学的性質の流体が安全に使用できることもあるが、他の場合ではより強化した化学的性質が必要となることもある。
Nomenclature
A:ガスハイドレート生成容器中にガスを圧入する点
B:天然ガスが存在する最終点
C:ガスハイドレートの結晶が最も安定する点
D:ガスハイドレートの解離・熱力学点
HMW:泥水の水頭圧(Hydrostatic mud weight)
MW:泥水比重(Mud weight)
PPG:ポリプロピレングリコール(Polypropylene glycol)
T0:ある圧力下でハイドレートが生成する温度
TH:ガスハイドレートの生成を抑制するために必要な温度の減少
TS:ある化学薬品を溶解したことによる温度抑制の大きさ
TSF:海底面の温度(推定・実測)
TVD:垂直深度(True vertical depth)
△T:天然ガスハイドレートの生成抑制に対する流体の抑制能力の大きさ