のハイドレートに関しては、圧力の範囲が0〜4,000psi(0〜276bar)で有効であることが確認された。実験データと予測結果の比較により絶対平均偏差は0.59と1.65の間にあり、相関として十分に低いレベルにあることが分かった。
温度抑制の計算:掘削流体中の塩分・アルコール分の濃度が入力されると、プログラムは4種の比重のガスに対して以下に示す計算を行う。
・ 入力圧力値におけるハイドレートの生成が予測される温度(T0)
・ メタンガスハイドレートとより比重の高いガスハイドレートの生成を抑制するのに必要な温度の減少(水の氷点の低下)(TH)。これはT0とTSFの差である。
TH = T0 - TSF……(2)
・ その溶解液の化学的性質に基づく掘削流体の予測される温度抑制能力(TS)
・ 正味の結果(△T)または予測抑制レベル(TS)と入力状況による必要なレベル(TH)の差。
△T = TS - TH……(3)
正の結果は適正な温度抑制を示し、負の値は抑制能力として不適であることを示す。
プログラムの結果の解釈:業界のほとんどのシミュレータと同様に、本プログラムは完全に「白」または完全に「黒」と言う予測を与えるものではない、ユーザーは以下のことを留意する必要がある。
・ 上述の温度予測(TH)はメタンと比重の高いガスの混合物に対する一般的な相関関係にすぎない。ある比重の天然ガスに対するガス組成の組合せは無限大である。
・ 坑内でハイドレートを生成する可能性のある浸入流体としての天然ガスの正確なガス組成を知ることは困難であり、ユーザーはプログラムの中でモデル化された4種のガスの内、状況に最も合致するものを選択しなければならない。
・ 予測抑制レベルと入力状況による必要レベルの差が小さい場合(正、負に関わらず)には「境界線」にあると理解し、よりよい結果を得るために更なる行動が要求される。
・ 異なる比重を有するガスに対する結果を同時に計算することは、ある流体の化学的性質に対する天然ガスの比重の増加による抑制能力の変化を知ることに有用である。
Use of the Model in field Application
ガスハイドレート抑制モデルは、ガスハイドレートの生成を予測する多くの場合に対して用いられてきた。一般的にこれらの予測の多くは掘削計画の立案時に用いられた。以下に本モデルの使用例を示す。