日本財団 図書館


「陸域起因 海洋汚染防止推進シンポジウム」開催概要

(札幌、福岡、仙台、松山、神戸)

 

神戸シンポジウムの際に片寄先生がお作りになった図(図2.5.1)をご覧ください。

このシンポジウムのテーマは、海をきれいに、豊かにしようということですが、これまでの講師の皆さんのお話のように、海のことだけでなく、川や森のこともひとつのシステムとして考えていかなくてはならないでしょう。たくさんのことが書かれていますが、シンポジウムで出されたことは全てこの図の中におさまるのではないでしょうか。

 

■札幌シンポジウム

松永勝彦さんからは、海をよくするためには豊かな森や川が必要であるという提言がなされました。

漁業者の立場から、山に木を植える活動をなさっている柳沼武彦さんが活動報告をなさいました。

小野有五さんは「川から海のことも山のことも考えてほしい」と訴えられました。

小玉豊治さんは「都市生活者として、川に負担を与えないような生活をしていこう」とお話しました。

 

■福岡シンポジウム

福岡では、水の大きな流れの中でいろいろなことを考えていこう、と考えました。

宇根豊さんは農業者の立場から「環境と生産というものは対立するものではない。環境を大切にすることで農業や漁業もこれからはよくなっていくのだ」

長崎福三さんはどちらかといえば漁業者の立場で「水については森林、河川、海をひとつのシステムとして考えていかなければならないのではないか」

楠田哲也さんは水質がご専門ですが、水の流れの大きなシステムのお話をなさって、水の量や質の現状を解説してくださいました。

片山純子さんはゴミ問題の研究会代表で、瀬戸内海の島に運ばれたゴミが海を汚している例を紹介し、ゴミをなくすように考えていこう、とゴミの面から見た海の汚染のお話をなさいました。

 

■仙台シンポジウム

畠山重篤さんはカキ養殖業の方で、「森は海の恋人」運動、山に木を植える活動をしています。「森は海の恋人」というのは合言葉になっています。

小関俊夫さんは無農薬の米づくり、「船形山のブナを守る会」世話人代表をしています。森を大切にすることがきれいな海にもつながるというお考えです。

木村修一さんと大葉由佳さんのおふたりは食べ物や暮らし、日常の生活をもう一度見直して環境について考えよう、というご発言でした。

高崎みつるさんは水質の専門家。海や川に起きている変化と浄化についてのお話でした。

 

■松山シンポジウム

松山では「きれいな瀬戸内海を取り戻すために」と、瀬戸内海にテーマを絞りました。

柳哲雄さんは「瀬戸内海の“里海”化」ということで、「里山」から「里海」という言葉を作られ、身近な裏山のような感覚で皆が手を加えながらよくしていけばいいのではないか、と提案されました。

山城滋さんは新聞記者で『海からの伝言』に瀬戸内海に関わる様々な事を取材し、まとめられました。

阿部悦子さんは市民団体ネットワークの代表で、『住民の見た瀬戸内海』をまとめ、廃棄物や埋め立てなどに対する規制強化を求めて、瀬戸内法改正の声を上げていらっしゃいます。

葭川敏明さんは広島でカキの養殖業をしていて、仙台の畠山さんと同じく、山に木を植える活動をしています。若手の、都市部の漁業者の環境問題への取り組みについてお話しいただきました。

 

■神戸シンポジウム

神戸では、大阪湾とその集水域の健康回復について討議が行われました。

講師の皆さんのフィールドなど守備範囲を紹介した図があります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION