同じくキンポウゲとタチツボスミレです。スミレもいっぱいあぜに咲きます。5月頃は本当に美しい。
彼岸花の葉っぱです。彼岸花はよく目立つのですが、意外と知られていません。これを切ってしまうと、彼岸花は美しく咲けません。だから、あぜ草切りの時期は彼岸花を美しく咲かせるために、すごく大事です。彼岸花の美しさを誉めますが、その彼岸花の美しさを維持するためのあぜ草切りの中身については誰も注目しません。そういう世界です。
田を植えた後、いっぱいコナギという雑草が生えてきました。殺虫剤・殺菌剤を減らす技術は、福岡県の我々のグループではほぼ確立しました。ただ、草を押さえる技術はまだまだ未確立です。それで合鴨(あいがも)を入れたりします。
カブトエビです。泥水のように水が濁っています。アメンボウが泳いでいます。カブトエビは田んぼの水を濁らせてくれます。土づくりをして、水が濁ると草は成長しなくなります。そうやって水を濁らせて光を遮断する。これは百姓の発想で広がっています。そういう環境にやさしい技術形成というのも、大学や試験所では本当に遅れているので、民間の技術、百姓の技術が今花盛りという状態です。
田植えからしばらくして少し茎が増えた段階です。虫がいっぱい止まっています。ウンカです。「雲霞」と書いて、ウンカと呼びます。セミを縮めて5mmぐらいにしたものを想像してもらえばいいのですが、毎年中国から飛んできます。
九州・西日本の百姓はこの虫に悩まされています。セジロウンカというウンカです。これが9月になると大発生し、1株に千匹ぐらいに増え、株元が黒くなっています。もうじきこの稲は枯れます。これがウンカの被害です。
ところが、私たちはこのようなウンカを観察する道具を作ったのです。最近改良してプラスチックの板になっていますが、今までこのような道具は全くありませんでした。稲の株元に当てて、反対側からポンポンとたたくと虫が落ちます。100匹ぐらい虫がいれば、50匹ぐらいがこの上に乗ります。このようにして研究会をやっているところです。
じっとしているのが害虫で、動き回るのが益虫です。これはウンカの幼虫にこぶが付き、ハチの幼虫が寄生しています。このようなものがしょっちゅうあります。
ウンカの腹の中から寄生虫が出てきたところです。このような寄生虫がウンカの中に結構寄生します。
カマバチというハチがウンカを捕まえて卵を産み付けている写真です。
イトトンボがガの仲間を捕まえているところです。
九州の赤トンボは、東南アジアから飛んできます。田んぼでヤゴから親になったところです。大体稲の4株に1匹ぐらい生まれる計算になります。
田んぼの中で一番多いアメンボウです。皆さん、見たことは当然ないでしょう。このようなアメンボウが田んぼの中にいて、いっぱい害虫を食べます。
アマガエル、ツチカエルです。カエルもよく虫を食います。
田んぼで一番害虫を食べるのはクモです。クモは20〜30種類ありますが、これはコモリグモというクモで、背中にブツブツがありますが、あれは全部子どものクモです。おんぶして歩きまわっているからコモリグモといいます。すごく殊勝なクモです。
トビムシです。後で説明しますが、害虫でも益虫でもない虫です。稲のわらを食べている虫で、田んぼには無数にいます。
コシマゲンゴロウです。昔の大きなゲンゴロウは今ほとんど見かけません。ゲンゴロウの種類はこのコシマゲンゴロウだけになってしまいました。
タイコウチも害にもならない益にもならない虫です。実は、この害にもならない益にもならないという考え方が、大きな世界を切り開いていきますが、それは後で言います。
メダカも稲にとっては別に害にも益にもならない。
ドジョウは人間にとっては益になるでしょう。食べればいいのですが、今はほとんどいません。田んぼの区画整理が進んだ結果です。