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たぶん生協陣営で全部が手を組めば、メーカーはいっぺんに白旗を揚げると思います。その白旗の例として、缶ではなく環境ホルモンの問題が大きく出たとき、カップ麺メーカーが「環境ホルモンは出ない」と大きく全国紙に出したのはご存じだと思います。そのあと密かに紙製のものに変わってきていました。先程、鷲尾さんと話していましたら、私はまだ目にしていませんが、なんとそのメーカーが「なかったことにしてください」と書いてあるそうです。

それもそのはずで、消費者が「ノー」と言って買わなくなった。前年度比で30%減のときもあったり、平均で20%くらい減っていると思うのですが、消費者の力は強いもので、私たちが「ノー」と言えば、メーカーはそのように変わっていく典型的なことだと思います。ぜひこの非イオン系の問題も、1人だけではできませんが流域の力は強いと思いますので、そういう形でできたらと思います。

あと、琵琶湖との関係で、これも流域の方たちに関係があるので、片側は笑いながら下流の方たちも相当なものだと思って聞いていたのが例の北風に吹き流されたゴミの話です。

京阪神の方たちがたくさんレジャーで琵琶湖にいらっしゃいます。ほとんど食べ物は京阪神で買っていらっしゃいます。帰ったあと、琵琶湖の湖岸に1列にゴミの袋が並びます。そのゴミの整理は、例えば私の住んでいる守山市であり、中主町です。これは21市町村が琵琶湖をめぐっている行政区ですが、全部置いていらっしゃいます。

それで、行政を含めての掃除が間に合わないときには、全部琵琶湖に入っていきます。消えるものではありませんから、さて、どうするかというのは琵琶湖にとっても今大問題です。そういう意味でも、琵琶湖一斉清掃は今、滋賀県に住んでいる人だけでやっていますが、掃除の部分でも一緒にできなければいけないということがひとつです。

それから、琵琶湖の問題を考えているときに、しんどい話ばかりではたまらないので、夢のある話もというように並行してやってきている中で、最近、この何年かの間で天ぷら油を燃料にして、軽油の代わりに使って、車を走らせるということがあります。

天ぷら油をゴミにせず、軽油の代わりに燃料にして使うというバイオディーゼルの開発をして、小さなプラントで燃料化して、ディーゼル車を走らせるということをやってきていました。

私たちの琵琶湖でいうと、かつて廃食油は全部リサイクルで石けんに変わっていて、琵琶湖の周辺の人たちはそのリサイクル石けんを使うということで、ゴミにならずに全部原料化されていたのです。しかし、琵琶湖でも石けんの使用率が下がっていく中で、廃食油が余りかけました。余りかけたものを琵琶湖にもう一度返すわけにもいかないので、それをどうしようかということになりました。

そのとき、ドイツは非常に先見性があって、1973年のオイルショックのときに化石燃料はいずれなくなるというところに向けて、確実に政策化して何を始めたかというと、菜の花を育てて、その菜の花からしぼった油を石油燃料、軽油の代わりに使うのです。軽油と今は一緒に使っているのですが、そういう政策を立てて着々と進んでいる現状を見ました。

私たちは菜の花を育てる前に、あり余っている廃食油を燃料にして使おうということをこの間やってきたのですが、この前、ドイツに行ったときに取材しましたら、なんとドイツ全土で800ヶ所以上、普通のガソリンスタンドに菜の花で作った燃料のスタンドがありました。私が訪れたすべてのまちにあったのですが、これは国のエネルギーに対する政策力の違いが、こんなに日本と大きいのかということに驚きました。

それと同時に、これは国を待っていても間に合わないということで、私たちは今、これはうまくいくかどうかわからないのですが、先程酒井さんから減反の話が出ましたが、兵庫県は減反率が40%、滋賀県は25%なのですが、それでも50市町村で1万4200haの減反面積があります。私たちが一番初めに、全国の3300市町村の中のスタートに廃食油を燃料にするというプラントを設置した愛東町という町で、次はドイツのこれで行こうと。

 

 

 

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