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最近、倒伏に強い「ひとめぼれ」が多くなっています。ササニシキは弱いのですが、今年のアイガモ田では台風5号にもピンと立っているのです。アイガモが口先でつついたり足で絡ませたりするのが根や茎を鍛えたりしてくれるのか、稲はピンと立っています。それが非常にうれしい。収量も少しいくのではないでしょうか。

最後に、畠山さんも言っていましたが、結局、人間がやっていることが自然を侵しているわけなので、人間の態度いかんによっては、どのようにでも変わるということだと思います。ある人が言っていましたが、人類は滅亡してもいい。ただ、田の生き物まで道連れにするなと言っていました。そのとおりだと思うのですが、人間が好き勝手にやって、ほかの生物まで巻き添えにしてはいけないなと思います。

海の話ですが、魚付保安林という保安林制度があります。船形山には水源涵養保安林が多いのです。日本の場合、鳴瀬川にしてもそうなのですが、船形山まで魚付保安林ではないかと思うのです。畠山さんのリアス式の話にあったように、海岸沿いを魚付保安林にしていますが、大きく見ると結局奥羽曲脈まで本来は魚付保安林だと思いました。

 

パネルディスカッション

【コーディネーター】米山源司 (河北新報社 論説副委員長)

【パネラー】

木村 修一 (東北大学名誉教授)

高崎みつる (石巻専修大学教授・工学博士)

畠山 重篤 (カキ養殖業/「森は海の恋人」運動 代表)

小関 俊夫 (「船形山のブナを守る会」世話人代表)

大葉 由佳 (フリーアナウンサー)

 

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米山源司

 

【米山】我々の現在の暮らしは大変いろいろな意味で豊かになっていると思います。しかし、それによってかけがえのない海にいろいろな意味で大きな影響を与えているのではないかと思います。

畠山さんと小関さんから漁業と農業の体験を通して、大変有意義な基調講演をいただきました。

パネルディスカッションでは、特に森林とか水田の持つ役割、農薬の影響、我々の暮らしを通して、それらが海の環境保全や海洋資源の持続的な利用にどのような関わりを持っているのか、理解を深めていきたいと思います。

まず、パネリストそれぞれの立場で、環境とか海洋汚染とのかかわりをお話しいただきます。

最初に木村先生いかがでしょうか。

 

 

 

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