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写真2.2.11 シンポジウムin福岡 デポジット制度を法律に!!(片山)

 

クリーン作戦は一生懸命されていて結構なのですが、今後クリーン作戦の次にデポジットを法律にする取り組みを、皆さんのそれぞれの場所で検討していただけないだろうか、ということを考えています。すでにここ福岡市では議会の各会派が全部賛成で、国に対しての要望書を出すことになっております。

シンポジウムに参加してくださった、遠賀川の水を守る会「アイ・ラブ・遠賀川」の皆さんの取り組み記事を、私のところにファックスしてくれました。「遠賀川保護にデポジット制度を」ということなのです。どこでつなぎができるのだろうか、ということが理解がなかなかできないかもしれませんが、このことを語りながら、水を守るとか、海を守るとか、自分たちの森を守る、という話のきっかけにしていっていただければいいのではないかと思います。遠賀川流域では32市町村の町があります。

デポジットの話をきっかけに、「物をつくるときからゴミにしない、汚染をしない」、そして最終的には焼却場とか処分場とか「汚染の原因になるような施設はつくっていかない」ということを目指す21世紀を迎えたいものだと思っておりますので、ひとつの事例として紹介しておきます。

 

【楠田】今日は海洋汚染防止という観点からだったのですが、私たちの身の周りには、近々出てくるであろうということが予想されている、人類の生存を脅かすような問題がいくつかあります。すぐに出てくるだろうと思われているのが、飢饉を含めます食料危機です。ここ十年ぐらいのうちには必ず1回ぐらいは来るだろうと想定されています。その次に亜鉛とかスズ、鉛系統の重金属が枯渇する、というのが30年から40年の内にくる。それと前後して、今問題になっておりますような環境の微量汚染が顕在化してくる。そのあと地球温暖化があって、その温暖化が起こったあと、やっと化石燃料の枯渇がやってくるという順番で科学的には予想されています。

そういう予想を当たらないようにしていくのが、今私たちがしないといけないことだ、と考えています。それには、先程のゴミの問題、あるいは農業と海との関係、あるいは水産業の話等、解決していかなければなりません。世の中のシステムとしては、構造的に定まっていて個人の努力の及ばない部分と、個人の努力で解決できる部分の2通りあります。構造的な部分というのは、制度ですと役所にお願いしないといけないことになりますが、個人の努力可能な部分ではかなり変えられるところが残っています。もう少し私たちが環境の保全、創造のために自分の時間を費やしてはどうかと考えています。

だいぶん前になりますが、福岡市でローマクラブの集会がありましたときに、『2000年の地球』というのを書かれたメドウさんというアメリカの方がおられたのですが、その方に、「いろいろ立派なことはおっしゃられていますけれども、ご自身として何をされていますか?」という質問した記憶があります。そのときには、「4つやっている。1番目は、アメリカではどうしても自動車が必要なので、自動車に乗ることは勘弁してくれ。そのかわり日本製の小型車に乗って(燃費がいいから)いる。2番目は、家ではできるだけいろいろなものを使わないように節約している。3番目は、カナダ寄りのところに住んでいて、冬は寒いのでストーブを使うが、そのときには石油を使っていない。裏山から木を切って燃やしていて、炭素は循環するから、それは許してくれ。4番目は、冗談じゃなく、真面目なのだけれど、俺たちは子どもをつくっていないんだ」ということでした。4番目は守るかどうかは別にしまして、とにかく個人もそれだけ努力しているんだ、というお話がありました。

 

 

 

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