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ここは上に緑がたくさんありますが、こうやって中を見ると岩のように見えるかもわかりませんが、よくのぞいていくと、このようにプラスチックのものから、何かよくわからないものがたくさん掘ったところから出ています。

 

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写真2.2.4 豊島4](片山)

 

こういうのはたぶん焼却ゴミではないかと思うのですが、金属のものからプラスチックのものからたくさんありまして、ここに溜まっている水が黒い色をしています。この真っ黒い水が何十年たってもそのままということです。

地元の人たちがボーリングをするときに途中でドラム缶が出てきたりしたという話を聞きました。

 

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写真2.2.5 豊島3](片山)

 

さっき立っていたところからもうちょっと行ったところですが、もともとここの山になっていたところは何だったかというと、砂浜だったそうです。この辺から全部きれいな砂浜があったそうですが、砂浜はもうこの一部分にしかないです。

そして、ここに直接海が来ているわけなのですが、黒いところを見てください。この黒い水、これが産廃のゴミから染みだした真っ黒の水なのです。それからほんのちょっとで海になってしまうのですが、この水が処分場から出た水ということで、どうしようもない処理ができない水なのです。この処分場は安定型と言いまして、シートも何もありません。言葉だけは安定していますが、非常に問題を抱えているというところです。<スライド終了>

これは直接海に面した処分場の話なのですが、ここ福岡県内にもたくさんの処分場問題があります。昨年の11月から、私たちも「ダイオキシン九州ネットワーク」という市民グループを結成しまして、あちこちの調査に入っております。

豊島から帰ってきた1週間後に、福岡県内にあります筑紫野市というところに行きました。筑紫野市は飲み水を山神ダムともう一つダムがあるのですが、そこから水を取っております。その近くに平等寺といいましてお米を作っているところがあるのですが、この平等寺の横に10年間で120〜130万トンのゴミを積まれた山があります。お天気がいいときには、一つの山の形態として見えると思いますが、私たちは6月の2週目、大雨のどしゃぶりのときに行きました。そこで、山から流出する水が側溝に入っていくのですが、金属の匂いと化学的な匂いが、水で薄められているにもかかわらずしているということです。そして、側溝に流れ込む水を見ますと、洗濯機の泡と同じような泡が出ています。それが1キロ先の山神ダムの中に入っていくというような処分場です。ここはちゃんと県が安全だということで許可を出していますが、どう見ても、私たちが何も調査しなくても、その匂いと目で見たもので、これは危険だぞということがよくわかるということです。

その日は、同じく筑紫野市の山家の方の焼却炉を見にいったのです。一業者が抱えている焼却炉です。ここで何を燃やしているかといいますと、食品関係の賞味期限が切れた業務用缶、ジュース缶、飲料PET、こういうものがたくさん野積みされていて、多少プレスして水分を切っても、大雨の日に燃やしているので、いつまでたっても水蒸気がいっぱい入った煙が出て、近隣の人たちはこれではとても生活できないと不安を抱えています。

 

 

 

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