韓国
韓国代表団は、各造船所とその事業活動、労働力の着実な増加、新規受注および竣工量のデータ、造船技術の最近の発展など、造船産業の現状について報告した。修繕船・改造船、舶用機器工業についても報告された。結論として、韓国代表団は、アジア地域において協力を強化し、造船業を発展させるために、韓国政府ならびに業界があらゆる努力を傾ける意向であることを述べた。
タイ代表:第5表「造船労働力の推移」ではホワイトカラーとブルーカラーの分類があるが、第3の協力工という区分は何を意味するのか?
協力工は大半がブルーカラー労働者である。
中国代表:漢拏重工業株式会社について、同社の事業は造船市場に大きな影響を及ぼすとお考えか?
漢拏は現在、港から委託された工事を行っている。同社の現状がどの程度市場に影響を及ぼすか、正確にはわからない。同社の帰趨次第である。
オーストラリア代表:韓国の造船労働力はオーストラリアに比べて非常に大規模である。
この労働力の訓練のために現在度のような体制があるか?どのような機関、課程、訓練計画があるか?
各社それぞれの訓練計画を実施している。しかし危機的状況のために、労働者数は減少している。
サモア代表:海運産業に対する補助についてはどんな制度があるか。
わが国では海運にも造船にも何ら補助はないが、各民間企業がベトナムと合弁事業を設立している。
サンドバル議長:韓国代表団には、日本のように訓練制度を設けることをお願いしたい。
来年のAPSENで、そういう訓練計画について報告が頂ければありがたい。
マレーシア
マレーシア代表団は、造船産業の現状と発展、、問題と課題、政府の支援と業界の将来展望について報告した。特に造船所、設備の稼動率、これら造船所の市場性が、基本的問題であり、そこに課題がある。その他の問題として、労働者の経験不足、造船資材の入手難、さらには国内金利を年15%にも押し上げている現在の経済困難などの要因もある。結論として、マレーシア造船産業は、一一方で設備のグレードアップと近代化を進めながら、漸進的な発展を遂げるべきである。
オーストラリア代表:マレーシア海軍向けの海上巡視艇(OPV)についてはドイツ系の造船所が受注したそうだが、その契約締結に当たって何か問題があったと聞いている。このプロジェクトについて最近の状況をお話し頂きたい。
このプロジェクトは最近PSC Naval Dockyardに発注されたが、この造船所にはドイツ資本も入っている。、結局この造船所は他のパートナーにも他の分野で援助を仰ぐことになった。したがって現時点では問題はないが、まだ実際の建造には入らない、初期の段階にある。我々が過去の経験から教訓を学んでいるので受注が得られたに違いないが、現在も慎重に対処している。
インドネシア代表:7ペ一ジの5.3について、金融措置についてご説明頂きたい。特に利付き融資、無利息融資の金融制度について、詳細を伺えないか?
マレーシアには政府が過半数持分を保有する銀行が2行ある。うち1行はBank
Industries of Malaysiaで、この銀行には特に国内造船業の問題に対応する機構がある。その目的は、マレーシア造船業を支援し、この分野で以下のような制度を実施することにある。
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(a) |
外国船、国内船を問わず、造船所につなぎ融資(原文はbreaching
loansとあるがbridging loansの聞き取りミスと思われる、以下(c)でも同様一訳者)を提供して、資金面の制約なしに船舶の建造、竣工ができるようにする。
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(b) |
工期の遅れがないように設備を改善して、新造契約を獲得できるようにするため、造船所のグレードアップを支援する。
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(c) |
国内船主を支援するために、造船所ではなく船主に直接融資し、船主が借入れ返済の責任を負い、また資金調達の負担を軽くする。また自ら資金調達ができない造船所の負担も軽くなるので、両者に対する金融措置は互いに関連し合っている。場合によっては同じ造船契約で、造船所がつなぎ融資を受け、船主も直接融資を受けるという、2本立て融資が行われることもある。 |