本部会で非公式に紹介された他の方策の検討
ドイツ
2.8 ドイツが化学的処理法策を提出した
ドイツにおいて、特定の"活性剤"を加えた過酸化水素をベースとした物質を開発中で、連続した生物学上の実験が実施された。
予備的結果として、当該物質の、幼虫/成虫段階のブラインシュリンプ(Artemia
salina)に対する効果が明らかになっている。
植物プランクトンはもちろん特にシストに対する効果、また、沈殿物内のそれらに対するこの製品の効果についての、さらなる調査を準備中である。
すべての構成成分は、生物分解無害化/分解性があり、また、半減期が短いものである。
必要コストは、バラスト水交換コスト(バラスト水1,000トン当たり約150米ドル)と同等であり、また、当該物質をバラスト水漲水時に自動的に添加することが可能である。
作業部会は、この情報を歓迎し、かつ、さらなる調査結果を今後の作業部会に提出するよう要請した。
日本
2.9
電気式バラスト水処理方策に関する情報を提供した。
フィルターとして作用する多孔性グラファイト電極に、低電力を供給する実験において、海洋性生物(プランクトン性底生生物の幼虫、動物プランクトン、植物プランクトン、バクテリア)及び渦鞭毛虫 Alexandrium 休眠シストが電極表面に付着し、それらが電気式処理により殺滅された。
次のステップとして、船舶に積載される多量のバラスト水に対し適用する予定である。

2.10
作業部会は、代替バラスト水処理方策開発の必要性を強調した。
代替技術は、効果的、安全かつ環境的に調和し、また、バラスト水交換と同程度に経済的なものでなければならない。
将来、バラスト水交換代替選択肢査定基準及びそれらの効果評価基準を開発しなければならない。
バラスト水交換不可能船
2.11 SIGTTOは、LPG(Liquid Petroleum Gas)船及びLNG(Liquid
Natural Gas)船バラスト水交換に関する調査についての、簡単な要約を記載した情報文書を配布した。
質問への応答として、現行当該船舶形状の下では、大多数の船舶がバラスト水交換実施可能なことを明らかにしている。
しかしながら、以下の点について考慮の必要がある。
.1
バラスト水交換を安全に実施できるかどうかを決定するための、十分な復原性情報の欠如
.2
バラスト水交換は、良好なる気象条件下でのみ実施可能なこと。
.3 LPG/LNG船着氷海域航海時の、貫流方式実施に係る問題
.4
かなりの数の船舶における、バラスト水交換に起因する遅延(おそらく200海里要件から発生)
.5
いくつかの船舶は、陸上バラスト水施設の導入により、現状配管/ポンプシステムの改造が必要となる。