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ニュージーランド

16 ニュージーランド農務省の資金供給により,Cawthron協会*指揮の下に実施された2年間研究プログラムの調査結果を記載の報告書について,概要が紹介された。
 サンプル採集したすべてのタンクのうちの約80%が,生存中の植物・動物プランクトンを含んでいた。
 さらに,バラストタンクからの動物個体確認は,その多くが幼虫(未熟)の形態で,明確なレベルにおいて識別することが困難という事実から,複雑なものであることにも言及している。
 報告書作成者は,多くのタンク内における海洋生命体の存在は,ほとんどの船舶が,外国種伝播に関するかなりの危険性を構成する要素となることを示唆している旨強調している。
 個々の港における関連危険性を評価するため,すべてのニュージーランド諸港における外国船バラスト作業関連情報の必要性に着目して,海運・貨物統計を利用すべきである。

* 発刊物(Cawthron 報告書第417及び418統合版)はNS$60.00で入手可能

請求先: Cawthron Institute
  98 Halifax Street East
  Private Bag 2
  Nelson
  New Zealand

ICES-IMO-IOCバラスト水・沈殿物研究グループ

 

 

17 当該研究グループは, 1998年3月23〜24日の間,オランダのハーグにおいて,J. Carlton氏を議長として,現行バラスト水研究・管理検討のための会合を持った。
 当該会合には,16ヶ国から43名の専門家が出席した。
 当該研究グループ議長は,口頭にて,主要な結果・結論を紹介した。
 着目点の一例を以下に列記する。

.1 水生生物の,受入れ・提供両海域の港システムを推定するためには,輸入・輸出両バラスト水データを得ることが重要であること。

.2 バラストタンク内の生物カテゴリー・習性には,ウィルス,バクテリア,植物・動物プランクトン,より大型の可動性生物(魚類,貝類,カ二類等),沈殿物内の底生生物相及びタンク側壁付着生物等が含まれる。
 ついては,世界的相互測定及びサンプリングの技術開発の必要性に留意した,上述のそれぞれの種族によって異なる,十分に可能性のあるサンプリングへの挑戦が必要となる。

.3 バラストタンクの環境は,船舶のタイプ並びに季節・地理上の物理的・化学的パラメーター変化により複雑なものとなる。
 何故,バラストシステムの中で増加する生物がいる一方減少する生物もいるのか等, 多くの研究課題が持ち上がっている。

.4 濾過,熱,紫外線,オゾン,渦巻き分離等,さまざまなバラスト水管理技術についての多くの研究が実施されている。

.5 共同多国間研究プロジェクトを通じた継続的国際協力は,バラスト水を媒体とした非土着種の世界的規模の移動を評価するための基礎となる。

 

UNDEP-IMO GEFプロジェクト

"途上国のバラスト水制御・管理方策効果的実施のための障害除去"

 

18 本プロジェクトのステータス及びその完了のための前進計画は,後述第25〜28項で検討されている。

 

バラスト水制御・管理実施のための規則・指針

 

19 部会長は,現時点で作成されている"規則"及び"実施のためのガイドライン"形式(MEPC41/9,annex 1及び2)による法規制策定に関する,以前の作業部会検討事項を想起した。
 当該規則に記載の法規制は,当該ガイドラインに記載の間連選択肢に従った履行であること又は当該ガイドラインを十分考慮した規定措置実施であるべきことを要求している。

 

 

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