3 船体および環境への影響実験
3.1 実験目的
本電気処理法は、コンパクトな装置および極微量な電力の使用で実施するものであり、船体および環境への影響はほとんど心配ないものと考えられる。 しかし、海水に電気を通す方法では、微量であっても酸化力を有する次亜塩素酸やクロラミンの生成、さらには臭素化合物を形成する可能性がある。
そこで、これらオキシダントの形成状況を実験し、船体腐食および環境への二次汚染の可能性を検討する。
3.2 実験方法
実験は、前記、「2.2
海水中生物の殺滅実験」と平行して、殺滅効果を検討する分析試料と同じ海水を分析する方法で行った。
(1) 実験供試海水
「2.2 (2)? 実験供試海水」と同じ
(2) 実験項目
オキシダント(次亜塩素酸,クロラミン,臭素化合物等の酸化物質の総称)
(3) 実験装置
「2.2 (2)? 実験装置」と同じ
(4) 実験手順
「2.2 (2)?
実験手順」参照、殺滅効果を検討する分析試料と同じ海水を分析
(5) 分析方法
オキシダント濃度;
ヨウ素滴定法;
? 試水採水
? 試水10〜100mlをピペットで、予めヨウ化カリウム2gを入れた三角フラスコ(300ml)に移す。
?
三角フラスコを静かに振り、ヨウ化カリウムを溶解
? 硫酸5mlを添加し混合
? 暗所に5分間放置
? イオン交換水を加えて100mlに定容
? 遊離ヨウ素を0.005mol/L
チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、溶液の黄色が薄くなったのを確認後、でんぷん(指示薬)を1ml添加
?
ヨウ素ででんぷんの青色が消えるまで再滴定(滴定量;a
ml)
?
オゾンを注入しない原水について同じ方法で滴定(滴定量;b
ml)
? オキシダント濃度の計算