? 実験装置
シストの電気処理に使用した装置は、海水中生物の殺滅実験と同じエレクトロクリーンABE−75S(コニカ(株)製,写真?.2−1,図?.2−1参照)を用いた。
? 実験手順
実験は、以下の手順で行った。
a 底泥シストのフルイ処理
平成10年8月19日から平成10年10月14日までの約2ヶ月間休眠(25℃,暗条件)させた底泥中のシストを処理した。
フルイ処理では、シストの形状・大きさ(長径;約40μm,短径;約25μm)を考慮して、開口径22μmのステンレス製フルイを用いて底泥をろ過し、シスト以外の夾雑物をできるだけ取り除いた。
b 供試シストの分割
フルイ処理で抽出したシストを、各実験ケース(電解槽滞留時間:10秒,90秒,対照)に使用する量に分割し、それぞれの数を計数した。
c 電気処理
分割・計数済みのシストを適量のろ過海水に注入し、電解槽滞留時間:10秒と90秒の電気処理を行った。
なお、通電条件は、下記の通りである。
電解槽滞留時間10秒;電圧3V,電流0.8〜1V
電解槽滞留時間90秒;電圧3V,電流0.2〜0.8V
電気処理の1回当たりの手順は、次の通りである。
(a)
電解槽を分解し、多孔質炭素電極をろ過海水で洗浄した。
(b)
装置(ポンプ)を稼働させ、ろ過海水で装置全体を洗浄した。
(c)
一度、ポンプを停止し、容器のろ過海水中に計数済みのシストを注入した。
(d)
所定のポンプ流量で、シスト入りのろ過海水がほとんど無くなるまで、ポンプを稼働し、電位を印加した。
(e) 排水されるシスト入りろ過海水をφ22μmのステンレスメッシュで回収した(電解槽通過試料)。
(f)
電解槽を再度分解して、電極を超音波処理した後にろ過海水で洗浄し、付着しているシストを回収した(電解槽付着試料)。
(g)
電解槽通過および電解槽付着両試料を前記自家蛍光法とプリムリン染色法の分析サンプルに分割した。