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(1) デジタル選択呼出装置
(DSC簡単な操作で遭難警報を送受信し、また音声で連絡できる通信装置)

* 各社のDSC装置の操作メニューや遭難警報の発射ボタン等のレイアウトが異なっているので、自船の機器の取り扱い操作を熟知しておくこと。
* 機器の故障やいたずらによる遭難警報の発射は別として、機器の試験、保守、調整中の機器の誤操作による発射、船内でのトレーニング時に誤って発射する場合が最も多いので、このような作業時には慎重に、念に念を入れて操作を確認すること。
* 他船からの遭難警報を受信した場合(この場合は、遭難警報受信の表.小灯が点灯し警報が鳴る)、この警報音が非常に甲高いため、乗組員が「停止/Stop」スイッチで警報音を止めようとして、誤って「遭難/Distress」スイッチを押してしまった事例もある。慌てて操作を間違わないこと。

(2) 衛吊イパーブ
 (衛星EPIRB遭難警報を発信する自動離脱式のブイ式の無線装置)
 機器の故障やいたずら等故意による発射は別にして、次の点に注意すること。

* 白船のイパーブの取扱要領をよく覚えておくこと。
* 基本的には、取付架台から外れた場合に自動的に遭難信号が発射されるので、機器が.正しく取付けられていることを、誤って触れた場合はもちろん、時々確認すること(架台等の振動により、また間違って架台や本体に触れた場合等にずれるおそれがある)。
* 試験、保守、整備の際に、誤って発射することが多いので、このような作業を行う場合は、作業手順を確認し、十分注意すること。
* 点検等で架台から取り外す時には、本体のスイッチを確実にOFFにしてから取り外すこと。
* 甲板清掃等の際に、ホースの水が架台や本体にかからないようにすること(本体がずれたり、水圧離脱装置が作動するおそれがある)。

[参考]
 レーダートランスポンダ
(SART 捜索側の船舶、航空機のレーダー曲面上にこの機器の位置と方位を表示させるもの)
救命いかだに持ち込んで使用する場合の注意事項

* SART本体を海面に垂直に取り付けること。
* SARTはできる限り高い位置に取り付けること。


  新生丸海難に伴う運輸省による周知指導

 平成11年1月7日、運輸省海上技術安全局長から関係各団体に、つぎの事項の周知・徹底方協力依頼あったので、添付資料部分を掲載します。
「遭難時におけるEPIRBの使用について」
1 常日ごろより、取り扱い説明書等によりEPIRBの正しい使用方法を熟知しておいて下さい。
2 遭難により救助を求める際は、EPIRBを取り扱い説明書等に指定された正しい手順で作動させて下さい。
3 EPIRBは、遭難者の位置を特定することを目的とした救命設備であるので、退船する際には、退船に使用する救命いかだ等に携行するようにして下さい。
 なお、自動浮揚型のEPIRBは、遭難による退船時にEPIRBを持ち出すことができない不測の事態を想定して、当該船舶が沈没する等一定の水、圧に達した場合のみにはじめて自動的に浮揚し遭難信号を確実に発信するよう設計されておりますので、自動浮揚型であってもできる限り、救命いかだ等に携行して下さい。

 

 

 

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