(1)違反態様の内訳、( )内は昨年の件数
1 船舶からの油・有害液体物質の違法排出
231件(250)
2 廃船の違法投棄
171件(101)
3 廃棄物の陸上から海への違法投棄
188件(119)
4 工場排水の違法排出
14件(16)
5 その他(港内への貨物の脱落防止違反等)
210件(279)
合 計 814件(765)
海洋汚染の発生確認件数の推移

(2)特 徴
1 前年に比べ、陸上発生廃棄物の海への投棄および廃船の違法投棄事犯が大幅に増加した。
2 処理にかける費用、手間を省くため、船舶からビルジ、廃油等を直接海に排出する悪質な事犯が跡を絶たない。
(3)外国船舶による海上環境事犯の状況
国連海洋法条約の締結に伴い、平成8年7月20日から、領海に加え排他的経済水域および大陸棚にる外国船舶による海上環境事犯について、一定の条件のもとに海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等を適用して取締りができることとなり、また海上環境事犯を引き起こした外国船舶については、船舶の航行の利益を考慮し、担保金の提供による早期釈放制度(担保金制度)が適用されることとなった。
海上保安庁が.平成10年に外国船舶に対し担保金制度を適用した件数44件(前年50)であった。
この44件は、ほとんどが油の違法排出事犯であり、故意によるものが10件、バルブ操作ミス等過失によるものが34件となっている。
船籍別では、パナマ共和国籍が15件と全体の約35%を占め、次いでロシア連邦籍が7籍となっている。

違法投棄されたバケット =姫路海上保安部撮影

違法排出されている工場排水 =室蘭海上保安部撮影