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平成10年 海洋汚染の確認件数
      海上環境事犯の摘発件数

海上保安庁警備救難部海上環境課
 

 海上保安庁が.平成10年にわが国周辺海域において確認した海洋汚染の発生件数は697件で、前年(713件)に比べ16件(約2%)減少し、昭和48年に統計をとりはじめて以来、最低の件数となった。
 一方、海上保安庁が、平成10年に送致した海上環境事犯は814件で前年(765件)に比べ49件(約6%)増加した。

海洋汚染の確認件数

 平成10年の海洋汚染の発生確認軒数は昭和48年に統計をとりはじめて以来、最少の697件となった。これは、赤潮の件数が昨年に比べ半減したことが影響しており、赤潮を除く油、廃棄物等による汚染の合計は、昨年より12件増加している。
 697件の内訳は、油による汚染388件、油以外のもの(廃棄物、有害液体物質、工場排水等)による汚染283件、赤潮26件であった。

(1) 「油」による汚染、( )内は前年の発生件数 油による汚染は388件(405)で、17件(約4%)減少した。
 海域別では、東京湾が73件(61)と最も多く、瀬戸内海(大阪湾を除く)67件(86)、本州南岸52件(38)と続いている。
 排出源別では船舶からのものが289件(293)と約8割を占め、陸上からのものが15件(8)、排出源不明のものが83件(104)となっている。
 原因別では、取扱不注意によるものが105件(97)と最も多く、故意によるもの92件(100)、海難によるもの69件(68)と続いている。

(2) 廃棄物等「油以外のもの」による汚染、( )内は前年の発生件数
 油以外のものによる汚染は283件で前年254件に比べ29件(約11%)増加した。
 海域別では、瀬戸内海(大阪湾を除く)が73件(30)と最も多く、本州南岸67件(115)、九州沿岸40件(57)と続いている。
 排出源別では、陸上から海洋への投棄が186件(101)、船舶からのもの69件(131)となっており、陸上からの投棄が倍増、船舶からの投棄が半減している。
 原因別では、故意によるものが、、266件(233)と9割以上を占めている。

(3) 赤潮
 赤潮は26件で、前年(54)に比べ28件減少し、ほぼ半減している。
 海域別では、瀬戸内海(大阪湾を除く)、伊勢湾で多く確認された。

 


違法投棄された船舶=大分海上保安部撮影


海上環境事犯の摘発件数

 海上保安庁が、平成10年に送致した海上環境関係法令違反は814件で、前年765件と比べ49件(約6%)増加した。
 法令別では、「海洋汚染及び海上火災の防止に関する法律」違反が501件(約61%)と大部分を占め、「廃棄物の処理及び清楴に関する法律」違反188件(約23%)、「港則法」違反105件(約13%)、「水質汚濁防止法」違反14件(約2%)等となっている。

 

 

 

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