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   地域に密着した取り組みを

友永 そうなんです。海難防止活動は管区単位、場合によっては保安部単位でなければ前へ進みません。なにしろ地味な活動ですから実際にやるのは小さな地域単位でそこにスポットライトを当ててやるということが必要です。日本海難防止協会が実施している「海上安全巡回講習会」は地元保安部署と緊密な連携をとってやっていただいており、大変有意義だと思っております。
 また、海難防止活動は成果が目に見えないので職員に対する評価をしっかり考えてやる必要があると考えています。それから地域関係者とのコミュニケーションも大切です。このように中央でできないことを地方で努力していくことが重要です。 また、沖縄では日本水難救済会に53の市町村の首長さんや主なリゾート施設が皆入ってます。水難救済会の活動は大変活発でしてこれらの方々が海難の際は積極的に対応してもらっています。沖縄では海に囲まれ、海の観光産業が盛んですからそういう点の理解は深くわれわれとしても仕事がやりやすいです。


西山専務理事

    海洋汚染防止の取り組み

西山 地域の特性を生かしたそのような活動はよいことですね.沖縄の海はきれいですが、ここでは環境問題等についてもお伺いしたいと思います。
 昔は廃油ボールの漂着がかなりあったようですが現在はどうなっていますか。上空からみる限り白砂青松という感じを受けましたが。

友永 昔に比べればかなり少なくなったようですが、今でもやはりあります。海岸に定点を設けて継続的に調査していますが、行けば必ず見つけているようです。実際に洋上監視を行って発見しているのは、主として中国系の船舶からの油の流出が多いようです。海上自衛隊がP3Cを洋上で、24時間飛ばしていますので自衛隊からの油排出船現認報告も結構あり、わが方の監視業務を補足してもらっているような格好になっています。

西山 汚染対策は監視と講習会ということですか。

友永 洋上における船舶航空機による監視活動と日本海難防止協会の海洋汚染防止講習会、海上保安協会で募ってもらっている海洋環境保全推進員の皆様が中心になって行っておられる一般市民への海洋環境保全思想の普及啓発活動といったものが主たろものです。

西山 ところで、第11管区にこられて1番ご苦労されていることは何でしょうか。

友永 苦労というよりは、特徴的なこととして国境管区としての問題があります。

 

 

 

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