特集 対 談
沖縄周辺海域を取り巻く現況
リーフの多いこの海域の航行安全対策は

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(社)日本海難防止協会
専務理事 西山 知範 |
第11管区海上保安本部
本部長 友永 幸讓 |
<プロフィル>
昭和19年生まれ、 |
東京都出身、海上保安大学校本科卒業
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34年4月 |
海上保安庁入庁 |
59年4月 |
外務省在釜山日本国総領事館領事 |
62年4月 |
海上保安庁警備救難部警備第二課
補佐官 |
63年4月 |
内閣官房情報調査室内閣調査官 |
平成3年4月 |
第二管区海上保安本部警備救難部長 |
5年4月 |
第二管区海上保安警備救難課運用司令室長 |
6年4月 |
海上保安庁警備救難部警備第二課長 |
7年4月 |
横浜海上保安部巡視船いず船長 |
8年4月 |
第一管区海上保安本部次長 |
10年4月 |
現職に就任 |
西山 本日はお忙しいところを時間を割いていただきありがとうございました。
今回の対談は、沖縄周辺海域の海L保安の現況と問題点をお聞きしたいということですが、折角の機会ですから沖縄の紹介など、この地域の特徴的なことなども織りまぜていただければありがたいと思います。
友永 遠いところをようこそお出でいただきご苦労さまです。趣旨はよく分かりましたので私の体験も踏まえてお話したいと思います。
沖縄の印象と概要
西山 最初に、本部長には第11管区での勤務は初めてかと思いますが、沖縄の印象は如何ですか。
友永 前任地は第一管区(北海道)でしたので、最北端から最南端への異動となりました。沖縄は冬場でも暖かく、私個人としては大変過ごしやすいと思っています。また、沖縄は周囲を海に囲まれており、海上活動も盛んで、当庁業務に対する理解、関心も大変高いと感じています。
ここで、沖縄海域の地勢と海上活動の現況にふれておきますと、沖縄県の面積は東京や神奈川とほぼ同じですが、第11管区が担当する海域は南北約500キロメートル、東西1,000キロメートルに及ぶ広大な海域となっています。この海域は、リーフに囲まれた大小160余りの島々から構成されていますが、全諸島を大きく区分すると沖縄群島、宮古群烏および八重山群島の三群島に大別されます。
このため、沖縄の経済は、生活航路としての海上輸送に負うところが大であり、離島航路も多数あります。
また、沖縄沖合海域は、本邦への動脈ともいうべき資源の海上輸送ルートとなっており、大型船舶が多数航行しております。
沖縄では、漁師さんたちのことを「海人(うみんちゅう)」と呼んでおり、漁業活動も盛んです。遠洋漁業の実態はほとんどありませんが、マグロ、カツオ等の一本釣りを主体とした沖合漁業、一本釣り、イカ釣り、刺し網、マグロはえ縄をヒ体とした沿岸漁業が周年を通じて行われています。 また、もずく、車エビ等の海面養殖も盛んで、特に、もずくは全国の9割を生産しています。
この他、海洋レジャーの普及に伴い、沖縄のきれいな海を資源とする観光産業も盛んであり、沖縄を訪れる観光客も増加傾向にあります。