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 第81豊栄丸の海難は、南太平洋上という遠距離で発生した船舶火災という緊急事態でありましたが、従来のモールス無線電信によるSOSでは、対応できなかったかもしれない海難に対し衛生EPIRBが活躍したわけです。
 このような事例をはじめとして、様々な海難の場面において衛星EPIRBの必要性が強く認識されるとともに、GMDSSにおけるコスパス・サーサットシステムの重要性も認識されています。

○インマルサットシステム
 静止衛生を使用し、船舶と陸上との間で遭難通信等を直接行うシステム。

○中波、短波、超短波システム
(DSC、無線電話、NBDP)
 船舶と陸上との間、または船舶相互間で、その、距離に応じた周波数でDSC、無線電話、NBDPにより直接交信する地上系のシステム。

  *DSC(デジタル選択呼出し)とは、ディジタル通信技術を用いた遭難呼出しのこと

  *NBDP(狭帯域直接印刷電信)とは、キーボード操作無線テレタイプのこと

【海上安全情報に関する通信】

○ナブテックス放送
 沿岸から約300カイリまでの船舶に対して、航行警報などの海上安全情報を英語または日本語の自動印字により提供するシステム。

○インマルサットEGC放送
 遠洋を航行する船舶に対して、陸上から静止衛生を経由し、航行警報などの海上安全情報を英語の自動印字により提供するシステム。


GMDSSの導入促進活動

 GMDSSの円滑な樽入を図るため、(社)日本海難防止協会および(財)海上保安協会の共催で「新しい遭難・安全通信システム推進活動」が、平成7年度から4ヵ年計画で開始されました。
 海上保安庁では、この推進活動の一環として実施される講習会に講師として厚町家を派遣し、GMDSSの概要、船舶搭載機器の適正な取扱いおよび誤発射防止などの説明を行うとともに、同推進活動用として作成されたパンフレット・リーフレットを用いた訪船周知活動を行いGMDSSを理解してもらうことで、同システムの円滑な導入を図ってまいりました。
 本講習会は、平成10年12月の青森地区をもって終了しましたが、平成7年度の開始から平成10年度の終了までの間、全国76地区で開催し延べ約6,000人の海事関係者等か参加しました。

 

 

 

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