見学のできる灯台 (6)
大王埼灯台
(社)燈光会
九鬼水軍の拠点大王埼
伊勢の志摩半島。その南東端、太平洋に向かってそびえる大王埼。戦国の世、現在灯台のある1帯には、波切り域が築かれ、九鬼1族が九鬼水軍の名を欲しいままに活躍した海城てす。
潮流に牙をむく岩礁群の海は、「伊勢の神埼、国埼の鎧、波切大王なけりゃよい」と歌われ、千石船の船頭たちの間でも恐れられた難所でした。

大王埼灯台全景
絵描きの町・大王町
大王崎は、東海観光30選の1つにも選ばれ、灯台のある風景として、毎年たくさんの絵描きがこの岬の町に訪れます。
灯台では、沖の遠州灘、熊野灘に、この灯台を指標に東西に、また伊勢湾の人出にと、本州南岸航路の大型船の群れが目撃され、海上交通の要衝が実感されます。
魔の海に光
厳しい気象海象条件から、近代的な船舶になっても大海難が相継ぎ、大正2年には、さんま漁船が遭難、一瞬に51人が死亡、同6年には、巡洋艦「音羽」が沖合の大王島に衝突座礁する海難があり、これが決起となり昭和2年10月、大王埼灯台は建設、完成されました。以来、この海の安全を守る火は灯し続けられております。
伝説の息づく岬
「城山」という地名が示すようにその昔、九鬼隆良が城跡、強者共200年の夢の跡、大王崎には、汗をかいて、不漁を知らせるという「汗かき地蔵」があり、大王岩に住みついていて、船を難破させるという「ダンダラボウシ」(1つ目の鬼)などの息づく、不思議な伝説の地でもあります。

大王埼灯台スタンプ・ラリー
太平洋戦争と灯台
第4等2閃光レンズを備えた斬新な灯台も、太平洋戦争、米軍艦搭載機の機銃掃射や伊勢湾台風など、幾多の困難を乗り越えた先人の歴史に立っております。
現在、68,000カンデラの灯をかかげ、またレーマークビーコンや大王岩の険礁を示す照射灯が併設され、衛星航法システムDGPS局や船舶気象通報の業務も行っております。
灯台へのアクセス
- 電車
名古屋〜近鉄鵜方 2時間
京都〜近鉄鵜方 2時間48分
大阪〜近鉄鵜方 2時間15分
- 車
鳥羽、パールロード経由
鵜方〜波切(大王)約1時間
名古屋〜東名阪〜波切(大王)約2時間
鵜方〜波切(大王)バス25分