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忘れずに 安全チェックと健康チェック
―平成10年度 船員労働安全衛生月間実施要綱―

1 趣旨
 船舶所有者および船員をはじめとする関係者の一体となった長年にわたる船員の災害・疾病防止活動により、その発生件数・発生率は減少し、徐々にその成果をあげているものの、船員の死亡災害は陸上産業と比較して依然として高い発生率となっている。
 他方、近年の船員労働を取り巻く状況はきびしく、船員の高齢化、乗組員の少数化、外国人船員との混乗化等が進む一方で若者の海離れが進んでおり、これを踏まえて安心して働ける魅力ある職場づくりが急務となっている。
 このような状況に対処するためには、船員の災害・疾病を着実に減少させ、安全で快適な船内の作業環境と居住環境を実現していくことが不可欠であり、このために年間を通して船員の災害・疾病防止のための対策を進めていく必要がある。
 特に本年度は、第7次船員災害防止基本計画が策定され、その初年度に当たることから、改めて原点に立ち返って安全衛生意識の高揚を図るため、本月間運動を通じ船舶所有者、船員等関係者に対し本基本計画の周知徹底を図るとともに、安全衛生管理活動の一層の推進を図るものとする。
 なお、本月間においては、平成10年度船員災害防止実施計画に定める主要対策である、
 (1) 安全衛生管理体制の整備とその活動の推進
 (2) 死傷災害防止対策の推進
 (3) 生活習慣病を中心とした疾病予防対策および健康増進対策の推進
 (4) 混乗外国人船員に係る安全衛生対策の推進
 (5) 十分な乗組員数の確保および労働時間の短縮等労働条件の改善の推進
 に積極的に取組、関係者が一体となってこれらの諸対策を推進する必要がある。


漁労作業には危険がいっぱいだ。
馴れと油断から事故につながることが多い


2 スローガン
 “忘れずに安全チェックと健康チェック”

3 実施時期
 平成10年9月1日〜9月30日

4 主唱者
 運輸省、社会保険庁、水産庁 

5 協賛者
 船員災害防止協会、地方(地区)
 船員労働安全衛生協議会

6 協力者
 関係行政機関、関係地方自治体および海事関係民間32団体

7 実施者
 船舶所有者、船員


ホーサの点検や着岸前の準備では巻き込みに十分な注意が必要だ

8 主唱者、協賛者および協力者の実施事項
 (1)安全衛生に関する訪船等による指導
 (2)遭難時における船員の生存方法に関する教育および訓練のための講習会等の開催ならびに作業用救命衣、保護具、検知器具、水質検査器具等の展示会の開催
 (3)安全衛生委員会等安全衛生管理体制の機能強化に関する指導
 (4)中小船舶所有者に対する団体安全衛生委員会またはこれと同様な組織の設置の促進およびそれらの機能強化等、安全衛生管理体制の整備に関する指導、啓もう
 (5)まき網漁業における作業の標準化による安全確保に関する周知、啓もう
 (6)船員災害防止大会および安全衛生各種講習会等の開催
 (7)安全衛生指導放送「船員の広場」の聴取、活用の推進
 (8)「船員の体と心の健康確保調べ」
に関する啓もう、活用の推進
 (9)訪船診療の推進および船員無料健康相談所の開設
 (10)十分な乗組員数の確保および労働時間短縮推進のための指導、啓もう
 (11)ポスター、垂れ幕、報道機関等による広報
 (12)安全衛生に関する標語、体験記および意見の募集
 (13)安全衛生に関する功績、発明等に対する表彰
 (14)「船舶所有者および船員の実施事項」についての指導、協力
 (15)月間の実施状況の取りまとめおよびその評価


機関関係の点検整備には細心な気配りが事故を防ぐ

9 船舶所有者および船員の実施事項
 船舶所有者および船員は、本月間の趣旨を十分認識して、企業のトップ自らの指導監督の下に総括安全衛生担当者等の安全衛生管理責任者ならびに船長および船舶における安全担当者、衛生担当者等を中心として次の事項を実施する。
 (1)漁船の場合(内容略)
 (2)汽船の場合(内容略)
 (3)漁船および汽船の共通事項(内容略)


今では少なくなった事務部による料理、乗組員の健康管理の要だ

 

 

 

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