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岡本 なんだか女親分になった気分ですか(笑)。
 そういえば女性保安官がいるのですよね。私が失敗しましたのは、西山さん(注=現日本海難防止協会専務理事)が海上保安大学校の校長のときに講演を頼まれまして、会場に学生がいたのですが、私は男ばかりだと思って何の警戒もせず、あまり上品でないジョークも入れて話したのです。終わってからよく見るとかわいいお嬢さん方がずいぶん混じっていて赤面しました。

沼田 船にも女性が乗るようになったみたいで、明るくなるのではないでしょうか。

岡本 ところで、いろんな人のポートレートや写真をお撮りになることを通じて、海に親しんだ人たちについて1つのタイプがありますか。

沼田 肌の色が違います。黒い(笑)。鍛えた肉体を持っている。そしてやさしくて少し照れ屋です。仕事が危険だから陸にいるときはすごくリラックスしている感じがします。

岡本 女性の方からそのように見られたら海の人は本望でしょう。
 この言葉が出たところで対談を終わりにしましょう(笑)。


対談を終えて記念のスナップ



 今年は「国際海洋年」です。

 ユネスコの提唱によって国連は、1998年を国際海洋年としましたが、これを迎えるに当たって、1997年9月、カナダで開催された「海のサミット」において“海洋憲章”が採択されました。その前文は次のとおり。

 わたしは次のことに賛成します。

 海とそこに住む生物は、この地球上の生命に必要な一部です。
 私たち全人類が今海から受けている恩恵を、引き続き未来の人々も受けることができるように、政府は美しい海を守り、多くの魚が住める環境を維持し、海のすべての資源を大切に、そして安全に使うことを約束し、この約束を守っていかなければなりません。
 海洋資源を大切にし、無駄使いを防ぐためには、海の環境とそこに住む様々な生物の暮らしを理解しなければなりません。
 みんなで力を合わせて実現しょう。国民みんなが力を合わせれば、海に関する政策に影響を与えることができます。
 世界の国々が助け合って、それぞれの地域の政策や活動を受入れ、知識や資源のある国は恵まれない国を助け、海についてのデータや知識を分かち合い、世界的な計画を作ったり、条約を結ぶために、国際機関や政府の機関が活用されるべきです。

 わたしは次のことを約束します。

 すべての海とあらゆる所からそこに流れ込む水を扱うときに、また、仕事をするとき、遊ぶとき、そしてものごとを決めるときに、このわたしの海洋憲章を思い出します。


海洋憲章(Ocean Chalter)
 1997月9月にカナダのニューファウンドランド州セント・ジョーンズ市で開催された「海のサミット」で採決されたもの。法的拘束力のある文書ではないが、将来の行動の基盤として、海洋と沿岸域を保持するために協力行動を起こすこと、そしてその行動を尊重することを誓っている。

 

 

 

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