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 トラブルの種類

 トラブルの種類別発生件数は累積で示したものが図1です。
 トップはエンジントラブルで204件(50.3%)次いで推進系トラブルで49件(12.1%)となっています。
 バッテリーの過放電、ガス欠等はプレジャーボートのトラブルの特徴を表していると思います。また乗揚げのなかには、潮干狩りをしているうちにボートを沖にアンカーしておいたつもりが干潮になり底触したので、と救助要請してきたものも含まれています。
 なお海上保安庁の海難統計では衝突、転覆が上位を占めていますが、BANでは衝突等の重大海難は海上保安庁に通報し、直接救助に参加しないことが多いのでBANの統計には出ていません。


〈図1〉原因別事故件数

 

海難防止のためのエンジントラブル(略称「エントラ」)の原因追求

 前述のようにプレジャーボートではエントラが非常に多く、プロからみればそれは取扱い不良であり、技術の未熟ということになるわけです。
 防止対策として出航前の点検が重要であるといわれ、エンジンマニュアルには細大もらさず点検項目が記述されています。
 しかしユーザーにとってはすべての項目を満たしていたら年間10数回しか出航しないのに、点検だけで終わってしまい出航できないということにもなりかねません。
 点検するにしても重点を置くべきところを理解したうえで、要領よく行へば所要時間が少なくてすむことになると思います。そのための資料にしてもらえばと思い、平成9年に出動要請を受けたエントラについてオーナー、修理担当者、メーカー等に修理個所、原因等を調査しました。

 

 

 

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