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2、PB保険

 この保険は、YM保険の項で触れたように海の専門家集団であるマリンで扱われている保険である。マリンの中でも大型貨物船などを対象とした「船舶保険」をべ-スにして作られているため、船体の保険が中心になっているので、YM保険のように船体保険を抜きにした組み合わせばない。

(1)対象船舶

 YM保険が総トン数20トン未満の船舶を対象にしているのに対し、PB保険は非営業用であれば総トン数のいかんを問わず引き受けの対象としているのが特徴である。

(2)補償の内容

イ、船体損傷(全損・修繕費・損害防止費用)
口、衝突損害賠償金(他船または他船ヒの財物に与えた損害賠償)
ハ、第一、一者賠償(港湾施設・漁業設備等に与えた損害、汚染損害)
二、盗難船舶引取り費用

(3)補償されない損害

 ほぼYM保険と同じであるが、「プロペラ軸系損傷修繕費不担保特別条項」により、プロペラ、シャフト、ギヤユニットなどドライブユニットに生じた損傷の修繕費は、不担保としている。ただし、割り増し保険料を支払ってこの条項を削除することもできる。

プレジャーボートの保険に対するオーナーの不満

 数年前に社団法人日本外洋帆走協会の保険部会主催による保険セミナーに参加させていただいたことがある。
 同協会では、外洋ヨットの安全対策に大変努力しており、保険に関しても保険部会を構成して日ごろから研究を重ねていて、協会登録艇を対象とするヨット団体損害保険制度(YM保険)も整備し、会員に広いカバーと割安な保険料を提供している由である。
 そのときもプレジャーボートのアジャスター育成プログラムの一環として、最終日に外部参加者も募って保険セミナーを開催したと記憶している。損害保険会社が売出しているこの種保険に関して、関心を同じくするユーザーが一堂に会してこれほど活発に意見を交換する経験は初めてのことであったので、大変印象深く拝聴させていただいた。

 

 

 

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