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(6) ECDIS(電子海図システム)
 電子海図は、海図データを数値化し、CD-ROMを媒体とする海図システムであり、全世界で作成が推進されている。一方RCDS(ラスター海図システム)を紙海図(現在使用している海図)と同等に扱うべきとの国もあるが、ラスター海図は使用に限度があり、安全性に問題があることから反対の声も強く、今後の検討が必要である。
(7) GMDSSの体制、運用等
 人命の安全のため全世界的に推進されている体制である。1999年2月の完全実施に向け、情報の収集ならびに会議に対するわが国の対処方針の検討などを行った。

 (海洋汚染防止関係)
 目的

 海洋汚染防止問題は、ますます多岐にわたって国際会議の場に提起される傾向にあり、海運主導国であるわが国は、あらゆる問題に積極的に取り組み、国際対応への参画が求められている。
 このような状況を踏まえて、本事業は、海洋汚染防止に関する国際的な情報の収集・解析し、関連のIMOの国際会議に参画することにより、海洋汚染防止に関する国際的動向を把握し、わが国および関係業界の適切な対応に寄与するとともに、海洋環境保全のための効果的な諸施策の確立に貢献することを目的に実施した。

 調査項目および内容

(1) IMOのMEPC(海洋環境保護委員会)およびBLG(ばら積み気体およびガス小委員会)に関する資料を収集・整理・翻訳し、IMO国際会議に対するわが国の対処方針の策定、条約の国内法への円滑かつ適正な導入、国内体制の整備等について、委員会を設けて関係官庁および関係業界との意見の統一・調整をはかった。
(2) 第40回MEPC、第41回MEPCおよび第2回BLGに調査員を派遣して、わが国代表を補佐するとともに、MEPCにおいては関係作業部会(バラスト水作業部会)に参画した。
 BLGにおいては、担当議題(MARPOL73/78条約附属書I及び?の見直し)のもとでわが国の対処方針の反映および関連情報の収集に努めた。
 また会議の審議結果を取りまとめ、重要な情報については適宜関係業界等に提供し、関係業界の今後の対応に寄与した。

 輻輳海域における海上交通安全制度についての調査研究

 目的

 船舶交通の輻輳する東京湾、伊勢湾および瀬戸内海において、交通環境の変化等に対応して緊急に必要となる対策について調査検討を行うことにより、海上交通のより一層の安全を図ることを目的とし、海上交通安全法の「行先の表示」および「来島海峡の航行安全対策」の2つの課題を選定した。平成7〜9年度の3年間に実施したものである。

電子海図(ENC)の表示例一浦賀水道付近昼間表示例
海上保安庁水路部が開発・作成したENCは国際水路機関の仕様に基づいて作成している

 

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