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(2)短距離フェリー

イ.座間味村役場[クイーンざまみ(沖縄〜阿賀〜座間味、鈴木三郎、古荘雅生)]

(イ)乗船旅客数の把握について

  旅客の殆どは往復旅客である。また泊、渡名喜、久米島の旅客であることより、乗船券の切り取り(半券)を工夫することにより、発券数と半券数が照合できるはずである。乗船人数を確認するために、乗・下船客から乗船券を確認し、その半券を必ず回収できるよう乗下船口を一つに限るべきである。

(ロ)僚船・船間連絡について

  往航時、同方向に航行していた久米島フェリー(株)の旅客船「ぶるーすかい」が急遽反転し、その運航状況がおかしいので、「ぶるーすかい」に船舶電話で連絡を取ったが、うまくつながらず、泊営業所に連絡を取り、「ぶるーすかい」の状況(病人が発生し泊埠頭へ引き返したこと)を確認した。同業他社ではあるが同じ沖縄の離島を結ぶ船として常にこの様に連絡を取り合ってほしい。望むらくは、VHFも装備しているのでもう少し早く直接「ぶるーすかい」と連絡を取れるよう心がけてほしい。
  同一航路に、高速旅客船「クィーンざまみ」と貨客船「ざまみ」が就航し、また那覇〜久米島間に高速旅客船とフェリーが就航している。これらの船舶とすれ違うときの情報交換を習慣付けるべきである。直前の航路・気象・海象状況を交換し合うことにより、安全な運航が可能となる。

(ハ)船尾より荷物の出し入れを行っているが、同時に客の出入りもしている。タラップ等の乗降設備が何もない所なので、一般旅客の出入り・荷物の出し入れは行うべきでない。手荷物は全て旅客自身が手に持って正規のタラップから出入りするよう指導すべきである。船体構造上、船尾付近の係留作業状況や乗船客の上下船状況が把握しにくい点から判断し、特に正規タラップの使用について乗船客に理解を求める努力が必要である。

(ニ)出入港時、操舵室は船長と機関長の2名体制であるが、船長が主機ハンドルを持つため機関長は見張りを行っている。船長からの船首・船尾へ指令および船の定位置の確認・連絡は機関長がマイクを持って行うべきであると見受けられた。

(ホ)着岸時のヒービングライン使用について

船首配置および船尾配置では、係留索を陸上作業員に直接手渡す場面が比較的多いようである。係留岸壁や係留方法は、毎日の運航に伴う係留作業として確実に行われていたため、特に不都合な点は見られなかった。しかし、係船作業中に強風による船尾圧流という状況も予想されるため、状況によりヒービングラインを使用し、操船者(船長)の着岸余裕を確保する必要があろうと思われる。また、船長が着桟時の概略風圧力を知るために、岸壁上に吹き流しポールのような設備を検討していただきたい。

(ヘ)【乗組員および運航管理者からの要望】

 灯標・立標の設置について

  気象・海象状況による船体動揺を軽減するために、船長の判断に基づき基準航路を変更することが多く、航路変更に伴う乗揚げ海難の防止と船位確定のために、灯標・立標を設置していただきたい。具体的な設置希望場所(概位)は、トムモーヤ礁(26-04N、127-17.4E)と名瀬<Na zi>(26-11N、127-19E)の2個所である。

 

 

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