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7.アドバイザーの総合所見・要望事項等

 

(1)長・中距離フェリー

イ.東日本フェリー(株)[ゆにこん(青森〜函館、橋本進・山田昌利)]

(イ) 船長記録簿は具体的に記録されており、良好であった。

(ロ) 天気図確認後の、船長/航海士の確認サインが無かった。早急に実施のこと。

(ハ) チャートテーブル上に双眼鏡等の物を置かないこと。

(ニ) 出入港S/B時、ブリッジには船長および機関長の二人だけなので、見張りには十分注意する必要がある。本船船長、機関長には良いチームワークが見られたが、今後乗組員交代の際には、このようなチ−ムワークのための指導教育を望みたい。

(ホ) ブリッジコンソールは前面・左右いっぱいに広がっており、かつ、船橋内当直者はコンソール後面の固定シートに座るので、前面窓より下の視界が制限されている。高速航行中は小型漁船、漁網等に格段の注意を払ってもらいたい。

(ヘ) 函館港停泊中に、乗組員に対して「高速船の見張り」について講義し、生理学的な面から注意点を指摘した。

 

ロ.名門大洋フェリー(株)[フェリーふくおか(大阪南港〜新門司、上瀧昭六・笠原信雄)]

(イ) 船橋内当直について:船橋内の整理整頓は良好であった。

(ロ) 夜間の船橋内の照明について?出入り口の暗幕?海図机の暗幕は良好であった。

(ハ) 当直航海士が記録簿への記入を、船橋前部でトーチランプの照明で行っていたが、夜間の見張りを妨げないように配慮したい。

(ニ) 夜間の投光器による発光信号は相手船の視覚見張りに悪影響のないよう留意したい。

(ホ) 海陸のコミュニケーションを図るための提案箱が、乗組員食堂に配置しているのは良いアイデアである。

(ヘ) 新門司港停泊中、午前、事務所会議室にて2隻の手空き乗組員等の関係者を交えてミーティングを行った。アドバイザーからは「安全運航の心構え」「リーダーシップの重要性」等の体験を交えての発表があり有意義であったが、乗組員からの忌憚の無い意見を聞く時間も欲しかった。

(ト) 企業内の教育訓練の絶対条件は「効果」の期待ができることである。今後とも「効果」のあるアドバイザー業務を行うよう努力したいものである。

 

 

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