(2)短距離フェリー
イ. (泊〜阿嘉〜座間味)
慣れている航路ではあるが、当日の潮汐を操舵室内のホワイトボードに記入していた。潮汐を数字で確認することは安全運航の基本であり、乗揚げ海難の教訓を忘れることなく今後とも継続していただきたい。
ロ. (泊〜真泊〜渡名喜)
船長を含め4名の運航体制である。船長操船は慎重で技術的に優秀であった。また乗組員の執務状況も概ね良好であった。
ハ. (宇品〜呉〜高浜〜三津浜)
離着桟時および音戸瀬戸通狭時における船長の操船技術は実に優秀で何ら不安を感じさせなかった。離着桟時は着桟舷でバウスラスターをリモコン操作しながら操船、主機コントロールは甲板長が担当したが、スピードはノッチ指定、号令・復唱とも大きな声で非常にキビキビしていた。乗組員の執務状況も良好と認められ、服装も肩章付き、車両誘導時は腕章付きと整備されていた。航海当直交代の引継ぎは慣れた航路ゆえか甚だ簡単であった。船内巡視も確実に行われ(旅客室は事務長担当)、短時間航海であるが車両甲板に居残るドライバーは見掛けなかった。
ニ. (熊本〜島原)
船長の出入港における操船技術は優れている。船内のアナウンスも適切に行われている。乗組員の執務態度は優れており就労については、船員就労表、出勤簿、4週間労働表等が作成され労働時間については細かい労務管理がなされている。
ホ. (鮎川〜金華山)
出入港時の操船は、船長が舵と速力(可変ピッチプロペラ)の操作を自分で行っており、離着岸時も号令を発することなく前後部を自分で確かめて操船していた。航海中乗組員の一人は、客室を巡視しており、出入港作業も習熟した様子がうかがえた。
ヘ. (宇品〜呉〜高浜〜三津浜)
同一の航路、桟橋と手慣れた様子で全般に船長を始め乗組員の執務状況は落ち着いた良好なものであった。