13. 油タンカーについてのMARPOL
附属書I第13G規則の見直し
13.1 当小委員会は日本がMEPC
41において委員会に対し、当小委員会の作業計画に、載貨重量20,000トンから30,000トンまでの持続製油を運送する現存油タンカーに原油タンカーと同じ構造要件を課すMARPOL
73/78附属書I第13G規則の見直しの問題を加えるよう求めた一方、この問題をさらに審議することの必要性について、インタータンコ(MEPC
41/18/2)及びギリシャ(MEPC 41/18/4)が異議を唱えたことを銘記した。MEPC
41で発言した代表のうち明らかに多くが日本提案を支持しており、日本の提出文書は委員会の運営と作業方法のためのガイドラインの規定に合致したものと認められたため、MEPC
41はBLG小委員会に対し日本提案の初期評価を実施し、MEPC
42での審議のため報告するよう指示した。
13.2 日本代表は、文書BLG
3/13を紹介し、MEPCへのこの要望は、重油を運送する載貨重量20,000トンの油タンカーの分解により日本沿岸に引き起こされた汚染事故に端を発することを述べた。回収作業の中で、高粘度である重油は海洋環境に対し原油よりもさらに深刻な危険をもたらすことが明らかとなった。
13.3 日本代表はさらに文書BLG
3/13/2の紹介の中で日本提案のいくつかの面につきコメントしたインタータンコ提出文書(BLG
3/13/2)に触れた。日本は、載貨重量20,000トンから30,000トンの油タンカーのうち重油のみを運送するよう設計されているものはほんのわずかであり、当該油タンカーの多くは本提案の影響を受けることはないと主張した。加えて、タンカーの平均寿命はインタータンコのいう30年よりは短く25年以下であり、アップ・グレードにかかる費用もハイドロバランス・ローディングの適用により、示されたより相当低く押さえることができるとした。
13.4 インタータンコのオブザーバーは、文書BLG
3/13/1を紹介し、仮に日本提案が受け入れられたとしてもこれが施行されるときまでに対象となるタンカーの多くが解撤され、残りもほとんど白物の運送に従事しているであろうとの証拠を示した。結果として、日本提案は環境保護に効果を及ぼすものでなく、残った対象タンカーに大きな打撃を与えるものであると主張した。しかしながら、インタータンコのオブザーバーは、自身の提出文書は文書MEPC
41/18/1に応えたものであると当小委員会に伝え、インタータンコが表明した懸念についてのいくつかの要素は日本提出文書BLG
3/13で解決されていると述べた。
13.5 討議の過程で、持続製油の漏出は原油のそれよりもしばしば深刻であると概ね合意する一方、当小委員会はMEPCからの指示はこの問題の初期評価を実施し結果をMEPC
42に報告することであることを想起した。結果として、当小委員会はこの問題を審議する起案部会を設置、以下の事項を委託した。
.1 予防的取り組みを考慮して日本提案の必要性及び利点を特定する。
.2 産業界に課せられるコストを定性的用語で特定する。
.3 主管庁に与える影響を測定する。
13.6 当小委員会は起案部会の報告(BLG
3/WP.2 及びCorr.1)を受け、バハマ及び日本代表のコメントを付し、この報告を概ね承認した。
13.7 バハマ代表は、日本提案が採択されれば、各個の船主の経済的負担は大きなものとなり、日本提案の初期評価の結果にはこの点を組み入れるべきとした。しかしながら日本代表は持続製油にかかわる油汚染事故がひとたびおきたならば、回収作業にかかるコストも大きなものととなると述べた。
13.8 従って、当小委員会は、上記二つのポイントを初期評価の本文(annex
8)に反映することで合意し、MEPC 42に対し日本提案の初期評価を銘記し適切な行動をとるよう招請した。
13.9 当小委員会は、本件に関する作業は完了したとみなし、MEPC及びMSCに対し、本件を当小委員会の作業計画から削除するよう招請した。
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