日本財団 図書館


4. タンカーのポンプ室の安全性

 

ポンプ室の安全性に関するSOLAS改正の現存船への適用

 

4.1 当小委員会はBLG 2が油タンカーの貨物ポンプ室での爆発防止手段に関するSOLAS条約改正案文作成の過程で、改正提案は非常灯に関する規定のみとするべきか、あるいは回状MSC/Circ.774の添付にあるすべてについて含めるべきかとの懸念を銘記したことを想起した。結局BLG 2は非常灯のための規定のみを入れたものと、これに加えて当該回状の添付の内容すべてを入れたものの二通りのSOLAS条約改正案文(BLG 2/15、Annex2)をMSC 69での審議と最終決定のために準備した。

 

4.2 当小委員会は、MSC 69がBLG 2の要請に従って二通りの案文のいずれが2002年SOLAS条約改正の一部として採択に付されるべきかを審議し、タンカーの貨物ポンプ室の非常灯についての規定をSOLAS第II-2章第43規則−貨物船の非常用電源−に含める改正及びMSC/Circ.774の規定をSOLAS第II-2章第63規則−貨物ポンプ室−に含める改正からなる後者の改正案文を新船のみに適用すべきことを承認したことを銘記した。

 

4.3 当小委員会はさらに、MSC 69がこうした改正の適用対象を現存船まで拡大すべきかどうかの検討過程で、当小委員会に対し「祖父条項の系統的な適用のための暫定ガイドライン(MSC/Circ.765)」及び「編成と作業方法についてのガイドライン(MSC/Circ.816)」を考慮して今期会合で本件を審議するよう指示し、完了目標期日を1999年に延ばしたことを銘記した。

 

4.4 この問題をしばらく審議したが、改正された要件を現存船にも同様に適用すべきことに当小委員会の大多数が概ね合意した。審議の後、OCIMFのオブザーバーは「祖父条項の系統的な適用のための暫定ガイドライン」を用い、かつ、「編成と作業方法についてのガイドライン」を考慮して、新改正の現存船への適用性評価を実施し、MSC 71への勧告を目的とした審議のためBLG 4にその結果を提出することを申し出た。

 

貨物ポンプ室の安全性を高めるための追加事項

 

4.5 当小委員会はBLG 2安全問題作業部会がBLG 1において作成されたリストから以下の事項を貨物ポンプ室の安全性を更に高めることに貢献するであろう問題として確認し、BLG 2がそれらを今期会合で審議することに合意したことを想起した。

 .1 ガス検知では、10パーセント燃焼下限界(LFL)で警報と貨物ポンプ自動停止の両方とも作動すべきか、10パーセントLFLでは警報のみ作動し、貨物ポンプ自動停止はより高い値になったら作動するようにすべきかについて。

 .2 貨物ポンプの温度監視では、あらかじめ設定した温度に達したら貨物ポンプの自動停止が作動するようにすべきか。

 .3 現場(貨物ポンプ室の底)手動停止装置の適切な装備。

 .4 貨物ポンプ室内の貨物系の排出設備

 .5 貨物ポンプ室から非常時に安全に脱出するための追加措置

 

4.6 当小委員会は上記の事項について全体的な審議を行い、この作業項目の完了目標期日が1999年であることを銘記して、自らの以前の提案について言及したOCIMFに対し、BLG 4での審議のために上記パラグラフ4.5に示した事項に従ってタンカーのポンプ室のための安全措置についての関連提案を提出するよう求めた。

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION