(3) 水線幅変更+SLO-ROLタンク付加タイプ(TYPE-B0-W2-SLR1)
SLO-ROLタンク非作動時(TYPE-B0-W2-SLR11)及び作動時(TYPE-B0-W2-SLR12)の規則波及び不規則波中での運動(Heave,Roll)の振幅を計算結果と比較して図4.19及び4.20に示す。図には基本タイプ(TYPE-B0)の結果も示す。
基本タイプ(TYPE-B0)のRoll固有周期が4.6秒付近だったのに対して、SLO-ROLタンク非作動時(TYPE-B0-W2-SLR11)は浮体形状の変更影響により5.8秒に、作動時(TYPE-B0-W2-SLR12)はさらにタンク水効果によって7.7秒となっている。その結果、波周期4〜5秒付近の規則波中Roll振幅が非常に小さくなっている。
SLO-ROLタンク非作動時は、Rollは固有周期及びピーク値ともに、計算と実験はよく一致する。しかし、Heaveは規則波5〜7秒付近で計算よりも実験値が小さい。
SLO-ROLタンク作動時の場合、Rollは波周期8秒付近までは計算と傾向が似ているが、これより長周期側ではタンクの天井にタンク内水面が当たって、タンク水運動が抑制されるため、非作動時の計算値に近づいている。
SLO-ROLタンクの効果により、図4.21に示す不規則波中の加速度は基本タイプに比べてかなり小さく抑えられており、目標加速度30gal以下に応答が低減されている。
SLO-ROLタンク作動・非作動とも、浮体前面での波の反射が基本タイプ(TYPE-B0)に比べて大きい。図4.22に示すように、波周期4〜6秒付近でSLO-ROLタンク付加タイプの反射率が大きい。反射波が大きいと船舶の接岸が困難になる恐れがあるので注意が必要である。また、図4.23に示すように、SLO-ROLタンク付加タイプの場合は波漂流力も基本タイプ(TYPE-B0)に比べやや大きい傾向がある。