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作曲者の紹介

 

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<田頭勉プロフィール>

1962年7月29日生まれ

1989年日本交響楽振興財団第11回作曲賞入選

1996年東京芸術大学大学院修了

作曲を松村禎三、浦田健次郎、山田泉、丸田昭三の各氏に師事

 

「Rei」for Orchestra (1997)

田頭勉

 

私は、まず真っ先に今日ここに足をお運び下さった皆様に心からお礼を申し上げたく思います。本当に有り難うございます。また、演奏して下さる東京交響楽団の皆様、及び指揮をして下さる秋山氏、そして、日本交響楽振興財団の皆様に深く感謝いたします。

良い音楽を聞いている時には、心打ち震え、感動以外何もない。私は、そのような音楽を作り続けた巨匠たちの「聞く者に喜びを与えんとする心」を大切にしつつ作曲したい、と考えています。一般に「新しい」という言葉は「是」の意味を喚起しますが、必ずしもそうとは思えない現代芸術の世界で、方法論的には何ら真新しさは無くとも、しかし、この20世紀末に生きる者として新しい良い音楽を作りたいと考え乍ら作曲いたしました。

さて、この音楽を聞き何を感じるも皆様の自由でありますが、作曲意図として前述したとおり、皆様に、そして妻と娘「伶音奈」にとっても良い音楽として聞こえるよう祈ります。

 

田頭勉君のこと

 

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原博

 

若さとは、活力に満ち、希望に溢れ、正義を信じ、自己達成を渇望する者に備わっている美しき側面だとは、だれもが思っているか、または信じたいと思っていることだ。若さとは、しかし一方でその活力が野望に火をつけ、その達成のために手段を選ばないものでもある。その場合それが若者らしく体制への激しい抵抗のこともあるが、むしろ多くの場合、若者の心を唆すのは意外にも、体制への順応であるようだ。それはそのようにして成功した者が、次の時代の体制に組み込まれ、これを維持して行く役回りを担ってゆく傾きがあるらしいことを、彼等が強い印象として感じるからである。

 

 

 

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