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松本 信之(まつもと のぶゆき)(昭21.10.28生・兵庫県明石市)

昭和37年以来、船舶用ディーゼル主機関等の仕上・組立・運転業務等に従事し、作業用具や作業方法を改善し、作業能率の向上、作業の安全性の向上に貢献された。

1] ディーゼル主機関の陸上運転中に実施するシリンダー内の最高圧力を調整する燃料カムのタイミング調整作業は、従来、チェーンブロックを使いカムの角度を変えて行っていたが、微調整がうまくいかず3〜4回の調整のやり直しを行っていた。氏は、油圧式で簡単に操作できるカム角度調整の装置を考案し、調整も1回で済むようにし能率と安全性の向上を図った。

2] 燃料カム軸部のオイルパン(覆い)の取付作業は、従来、クレーンやチェーンブロックを使用して3〜4名で作業していたが、他の作業との調整が必要であること等から改善が求められていた。作業用リフターを改造し、一度に数個のオイルパンを取付位置まで運び、そのまま上下して取付が出来るようにした。2人でしかも短時間に取付が出来るようになり、他の作業との調整の問題も解決した。

3] 大型ディーゼル主機関の組立には、機関基部の台板等の水平調整が必要であり、台板等をクレーンで持ち上げて、1台につき80ヵ所以上に調整ライナー(調整板)を配置して微調整を行うが、作業に多くの労力を費やしていた。氏は、くさび状の調整板を考案することにより調整の簡素化に成功し、従来行っていたボルト締め付け後の微調整もする必要が無くなった。

4] ディーゼル主機関を、陸上試運転後に出荷場まで搬送するときには、3分割(台板ブロック、フレームブロック、シリンダーブロック)し、出荷場で再度組み立て直していたが、パレット下部より圧縮空気を吹き出し浮上させるエアーパレットを利用して、機関と地面との摩擦係数を少なくし、機関を一体で牽引車により搬送できるようにした。

5] 社内のインフォーマルグループのリーダーとして、昭和50年代から、須磨海岸の清掃、神戸駅周辺の清掃、母子ホームヘの定期的な訪問や建物整備等多方面にわたる活動を続けている。

((社)日本造船工業会推薦)

 

 

 

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