小竹 勝太郎(こたけ かつたろう)(昭16.1.16生・愛知県名古屋市)
多年にわたり名古屋港の船員厚生のための施設において、調理師として船員及びその家族等宿泊者の食事を提供し、船員の福利厚生の向上と海上交通の安全確保に貢献された。
1] 名古屋港は、明治40年の開港以来発展を続け、現在は世界の150ヶ国と貿易で結ばれる我が国の代表的な国際貿易港であるが、近年は、ウオーターフロントの開発が進み、港湾機能の他に水族館、海洋博物館などが設けられ、埠頭地区を訪れる人も増加している。船員会館の宿泊も80%を超える高い利用率を示しており、食堂部門の総責任者として、あたたかく客を迎え心を込めた料理を提供している。
2] 昭和36年以来外国船員を対象とした名古屋港管理組合の外郭団体経営の宿泊施設のコックとして勤めていたが、施設の閉鎖が行われたため、同42年から、名古屋港船員厚生施設運営会が運営する名古屋船員会館の調理師となった。
調理に携わって40年余、そのうち37年間にわたって船員及びその家族に食事を提供してきており、世界中の船員の好みを知り尽くし、常に宿泊者の健康状態に注意している。
名古屋船員会館の食堂施設の総責任者として、宿泊者の受け入れにあたっては健康と衛生面に配慮し、栄養面でバランスがとれた季節感を感じられるような献立をたて、1週間毎の献立表を発表して宿泊者の利便に供している。
外国人には、その国に合わせた調理方法や味付けを行っており、例えば中国の人には、朝食におかゆを提供するなど細かい心配りをしている。従業員に対しても、お客様の声を大切にするよう指導している。
3] 夜間の災害を想定した防火、避難誘導訓練、急病人発生を想定した対応訓練等、地道で人目に付かない面でのリーダーとしても全幅の信頼を寄せられている。
((財)日本船員厚生協会推薦)