日本財団 図書館


146-1.gif

 

荒井 猛夫(あらい たけお)(昭13.1.17生・東京都渋谷区)

多年にわたり造船会社の協同組合(協力会)事務局にあって、下請企業の活性化と経営の安定化に尽力し、また上部団体との協調を図るとともにパイプ役として、造船業の発展に貢献された。

1] 造船業は総合産業であり部門毎に専門の下請企業が参加しているが、個々には資本力も技術力も弱いため、基盤強化、技術水準の向上等を目指して協同組合を結成している。氏は昭和32年以来、協力会及びその事務局において、61社の組合員企業の健全な発展と造船業の発展に寄与している。

2] 元請造船所とのパイプ役となり生産協力体制の強化を図るとともに、資材の共同購入や機械設備の共同設置等協力会組合員のための共同事業、金融関係業務、安全関係業務等を行っている。なかでも金融には高度の専門知識が必要であり、組合員に対する事業資金の貸付、手形の割引、債務の保証、債権の取り立てなど地道で煩雑な業務、困難を極める関係機関との折衝等を手際よく処理し、協力会組合員の円滑な経営の確保に寄与している。

3] 造船所では転落、落下物飛来、爆発等労働災害の多発する危険な作業を伴うが、下請業は危険率の高い高所作業や特殊作業に従事することが多く、安全確保と健康管理は、協力会組合員のみならず造船所にとっても最重要課題である。「ゼロ災害」をモットーに、災害の原因を究明し安全対策を立て、新入社員教育や職場の安全点検の徹底を呼びかける等安全対策を推進している。

4] 上部団体の日本造船協力事業者団体連合会は、安全対策を最重要事業として、安全啓蒙ポスター、安全スライド、安全手帳等各種の安全教材を作成しているが、この作成に献身的に協力し、また、安全講習会等による安全教育を継続的に実施し、安全に対する周知徹底を図っている。

氏の努力の結果、重大災害は激減し死亡事故ゼロの樹立に成功し、同協力会は昭和50年の全国安全大会において労働大臣団体賞を、また、52年には内閣総理大臣賞国民安全功労賞を受賞した。その後も、常にトップクラスの安全成績を持続している。

5] 昭和53年からはボーイスカウト渋谷第12団リーダー等として、地域青少年の健全育成に寄与し、また、国勢調査員を務めるなど地域においても常に奉仕の精神を発揮し活躍している。

((社)日本造船協力事業者団体連合会推薦)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION