宅島 博之(たくしま ひろゆき)(昭2.9.26生・長崎県長崎市)
多年にわたり九州地区のがんの子供を守る会活動の充実拡大に尽力し、家族の精神的負担軽減のための相談会、講演会を実施するなど、地域社会の福祉向上に貢献された。
1] 昭和47年6月、次男が急性骨髄性白血病との診断を受け、入院先である長崎原爆病院のケースワーカーから、がんの子供を守る会の活動を知り、目的、趣旨である「がんで子供を亡くした親たちが、同じ苦しみにあっている方々を助ける活動」に賛同し同年7月に入会した。会員として子供の治療、看護等について相談し、守る会の医師及びソーシャルワーカー(社会福祉士)から適切なアドバイスを受け、同じ小児がんで入院中の子供の家族とも交流を深めた。
同55年守る会九州支部の第一回相談会に出席し、同じ小児がんの子供を持つ家族の厳しい現実を知り、「つらいのは自分達だけでないのだ、子供のために頑張らねば。」と活動を続けたが、同56年愛児を亡くした。
2] 同じ境遇の家族の方々をはじめ、療養中の子供達のために何か経験を生かしてお手伝いすることは出来ないかとの思いから、守る会との接触を積極的に行い、昭和62年九州支部の幹事及び本部評議員に選出され、九州支部の先頭に立って活発な地域活動を展開するとともに、全国各支部責任者との交流を深めた。
九州各県の大学病院小児科を年数回訪問し、医療関係者と懇談、家族会、院内学級等の運営に留意した活動を続け、この頃から九州支部は会員も九州全県に活動の輪を広げ現在では1100名となっている。
3] 平成3年11月からは九州支部の代表幹事に就任し、一般の人々や関係者が小児がんについての正しい知識と理解を得るために医療機関、市民団体等に会のパンフレット、小冊子を配布して広報宣伝を重視した活動をした。また患児と家族の精神的負担を軽減するため、中央、地元大学等の小児科専門医・教育関係者等の支援協力を得、本部ソーシャルワーカーの参加により毎年、相談会・講演会を実施し、支部幹事による病院訪問等を積極的に進め、地域社会の福祉の向上に貢献している。
((財)がんの子供を守る会推薦)