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大森 利夫(おおもり としお)(昭22.12.21生・愛媛県松山市)

多年にわたり理容業関係団体の要職を歴任し、各種福祉施設へのボランティアをはじめ高齢者や障害者の福祉の充実に尽力し、社会福祉の向上に貢献された。

1] 昭和41年理容業を開業、当初より地域理容業者有志を募って市内の高齢者や寝たきり老人に対し理容の奉仕活動を続けた。同48年に愛媛県理容環境衛生組合の役員に就任後、地域での奉仕活動の経験を活かして同49年から身寄りのない児童の施設「愛媛慈恵会」に対し定期的な理容奉仕活動を率先して実施、同63年には愛媛県の盲老人ホーム「権現荘」に理容設備(理容椅子、クーラー等)を寄贈するとともに、毎月の理容奉仕システムを定着させるなど、理容業を通じて福祉の発展向上に尽力している。

同年組合理事長に就任後、聴覚障害を持つ理容師のために積極的に手話を導入し、組合運営に参加の機会を広げ、人間的な暖かさを感じさせる指導方針と情熱を持って活動の発展に寄与している。

2] 建設省が促進しているハートビル法(身障者等が円滑に利用できる特定建物の建築促進に関する法律)の普及について、積極的に組合の施策に取り入れ、車椅子使用者が利用しやすい段差のない理容店づくりを目指して、法律の簡明な解説書「人にやさしい理容店」を2,000部作成し、県下組合員をはじめ全国の関係理容業者に配布した。反響の一つとして、東京都の理容業者から障害者の来店を重視した店舗設計の相談を受け、現地を訪れてアドバイスを行ったところ、ハートビル法と同様の考えで東京都が推進している「東京都福祉のまちづくり条例」の適用を受け、日本で初めて同法認定の福祉理容店をオープンさせるなど実績を残している。

3] 平成7年の阪神・淡路大震災では、同業者有志が参加する理容ボランティア団(44名)を結成し、神戸市に出向き理容奉仕を実施するとともに、被災同業者に対して生活必需品や営業再開のための理容器具を贈るなど積極的な支援活動を行った。また震災で親を失い心に傷を負った子供たちをケアするための施設「希望の家」の建設準備運動に対し、県下の理容店に協力を呼びかけ店内や街頭での募金活動を行い、同9年2月に同建設準備委員会へ約162万円の募金を贈呈した。

((社)全国環境衛生同業組合中央会推薦)

 

 

 

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