肥塚 典子(こいづか みちこ)(昭3.10.1生・大阪府大阪市)
多年にわたり、母と子の健康と幸せを願った子育て支援の活動や公衆衛生の向上に向けた地域活動を実践し、地域社会の福祉向上に貢献された。
1] 幼児検診や母親学級、育児教室等への積極的な参加と、愛情豊かに育てていくことの大切さを軸にした学習会、母親同士の仲間づくり等の必要性を痛感し、昭和37年に保健所、助産婦会、婦人団体等の協力を得て大正区内の若い母親達を対象にした「大正区ふたば会」を創設した。
会員700名の同会の会長としての重責を果たした。会発足後は各種乳幼児検診等の受診率の向上とともに周産期死亡(妊娠22周以後の死産と早期新生児死亡)率の低下等の成果が見られた。
少子化時代を迎え、永年培ってきた活動のノウハウを新たな役割として見直し、発足当時の意図に基づいて母子保健意識の向上や知識の普及のため、平成4年から会報「ふたば会だより」を年4回発行し、会員相互の情報交換の場をもつほか、講演会や勉強会、見学会、ふれあいの会等を年間事業として毎月計画している。
これらの活動は、各地区の選ばれた理事により会員相互の意見を取り入れ計画されているため、会員(住民)が主体となった地域に浸透した活動となり、新会員の増加は勿論、同会から地域ボランティアのリーダーとなる人材が育つなど地域福祉の向上に寄与している。
2] 昭和40年頃から地域住民を対象に幅広い健康づくりに取り組んだ。健康づくり等の住民活動は現在のように一般的ではなかったが、行政の取り組みに先駆けて会として子宮がん検診・乳がん検診を実施するほか、伝染病予防や環境問題等広範囲にわたる健康問題に着目、リーダーとして新しい方向性をいち早く打ち出し、公衆衛生や地域住民に対する健康増進にも寄与した。
3] 耳鼻咽喉科の診療の傍ら、保健所委託医・学校医として地域医療に積極的に関与するとともに住民の立場に立った医学情報や知識等をイラストを交えて分かりやすく、興味が沸くように整理して会報に掲載する等、地域医療の推進に努め、地域社会の福祉向上に貢献している。
((福)恩賜財団母子愛育会推薦)