青木 豊明(あおき とよあき)(昭15.10.30生・大阪府八尾市)
多年にわたり船員及びその家族の診療はもとより地域住民の医療援護のために尽力し、わが国海運及び水産並びに地域医療の発展に貢献された。
1] 昭和41年から31年間にわたり医療一筋に精励する中、同55年に大阪掖済会病院の外科部長に就任し、広い知識と錬磨された技術を有する優れた臨床外科医として、その手腕を発揮し多数の患者の救命に尽力した。副院長就任後、最新設備と高度な技術を擁する病院に育てあげる等、同病院の整備拡充のため精力的に活動した。平成4年院長就任後も永年にわたる貴重な知識と経験を駆使して、船員とその家族はもとより地域住民の疾病の病態解明、診断、治療に献身的に尽くした。
平成9年4月に「大阪掖済会病院友の会」を発足させ、病院と地域住民とのふれあいの場を設けて健康づくりを推進するほか、「高齢者の健康対策」「骨粗鬆症について」「40才からの目の疾患について」等の講演会を開催し、毎回40〜50名の参加者を集め地域住民との交流を深めている。
2] 社会福祉事業法に基づく医療社会福祉事業の推進に積極的に取り組み、生活保護法その他の法令による各種患者の診療を行うほか、平成8年度だけでも約7300名を数える生計困難な患者に対する診療費の免除または減額を行うなど、地域住民の医療援護に心血を注いでいる。
また、毎年実施される海の記念日(現・海の日)、海の旬間、船員労働安全衛生月間では、船員に対する無料診療、健康相談を実施し、大阪府モーターボート競走会主催の老人施設の方々を招待して行われる「鶴亀の集い」と養護施設の中学生を招いて行われる「海の子の集い」には、医師や看護婦等を派遣し、医療援護活動を続けている。
3] 船員は、平常受診する機会に恵まれない状況にあることから、特別の便宜を図る必要があると痛感し、訪船要望に対しては快く大阪湾に停泊中の船舶を訪れ、健康検査、診療及び健康相談を行うほか、無線通信による医療相談、洋上救急事業体制にも参加協力し、船舶乗組員の健康保持と医療援護に貢献している。
((社)日本海員掖済会推薦)