岩田 正一(いわた しょういち)(大3.12.22生・岐阜県岐阜市)
多年にわたり精神障害者およびその家族のために家族会の結成や、作業所の運営を通じて、精神障害者の福祉増進に貢献された。
1] 昭和39年、精神障害者の家族会活動は全国的にみても皆無に近い社会状況であったが、家族自らが精神障害に対する正しい理解を深め、子どもや兄弟姉妹である障害者が一人の人間としての尊厳を保持されることを願う「岐阜精神病院(現 岐阜病院)家族会」が結成された。
氏は、この会の発足にあたり役員として中心的に関わり、家族の学習会開催や家計に及ぼす医療費問題、障害者の働く場の確保の困難さなどの障害者家族の窮状を訴え、関係者の支援を求めるなどの活動を率先して行い、同家族会が地域家族会にその役割を移し解散する平成9年3月まで会の運営に尽力した。
2] 昭和46年には県内で最初の地域家族会として「岐阜市あけぼの会」が結成され、初代会長として平成6年3月までの20年以上にわたり会の中心的存在として会の運営に携わり、現在も相談役として研修会やバザーなど会の行事への参加を欠かすことない氏の言動は、他の会員の模範となっている。また、県内の病院家族会、地域家族会で構成される「岐阜県精神障害者家族会連合会」の組織化にも発足から加わり17年間にわたり会の運営に貢献した。
3] 精神障害者を抱える家族が永年待ち望んでいた地域共同作業所として、昭和58年に県内で初めて「長良共同作業所」が運営を開始したが、開設にあたり資金集めや仕事探しなど関係者との連絡調整に尽力するとともに、通所者が一人の人間として社会に参加できることを願って指導運営にあたった。この作業所は、岐阜市の補助対象作業所となるため、平成元年に「岐阜市第2あけぼの苑」として現在地に移転したが、移転先の確保、新たな仕事の確保、地域支援の取り付け、岐阜市との折衝などに尽力した。
83歳という高齢にも関わらず、現在も「岐阜市第2あけぼの苑」代表として作業所の運営に携わり第一線で活躍している。
(岐阜県推薦)