荻野 光江(おぎの みつえ)(大5.6.6生・富山県黒部市)
多年にわたり冬季には豪雪に見舞われて交通が極めて不便な農村部や山間部での助産業務に尽力し、母子保健業務を通じて地域住民の福祉向上に貢献された。
1] 昭和18年以来、多年にわたり豪雪地帯である富山県黒部市の三日市、大布施、前澤、荻生の4地区・4902世帯とその周辺地区、さらには山間地の枕野及び鏡野地区で助産活動に従事した。戦時中から同30年代にかけては、交通機関も発達していない地域環境の中で、子どもの生まれる家庭から連絡があると、昼夜を問わず快く応じ、特に冬季には遠くは片道4km以上の道のりを徒歩で赴き、妊産婦を持つ家庭の不安を取り除いた。こうして取り上げた子は1000名近くに達する。
当時は物資や医薬品が不足していたが、保健衛生や健康管理、栄養面での相談にも気軽に応じてきめ細かな指導にあたり、地域住民の母子保健の支えになるなど、献身的な活動を続けた。
2] 昭和36年4月から平成9年3月まで36年間にわたり富山県黒部保健所から新生児や妊産婦の訪問指導の委嘱を受け、2世代、3世代にわたる母子の健康管理指導と知識の普及啓蒙に尽力した。
さらに同48年4月から61年3月までの13年間は、黒部市母子保健指導員の委嘱を受けて、妊産婦、乳児及び幼児を対象とした各種検診や健康教室などへの受診勧奨や推奨にあたるとともに、地域の母子健康相談にも積極的に応ずるなど母子の健全な育成に貢献した。
3] 半世紀余にわたって地域住民に対する母子保健の推進と向上に尽力し、高齢にも関わらず現在も住民からの相談には親身になって応ずるなど、母子保健活動に積極的に参画している。
(富山県推薦)