竹本 つる(たけもと つる)(明40.5.26生・青森県むつ市)
多年にわたり俳人として活発な創作活動を継続するとともに、青森県下北地方の文芸の発展に努め、またボランティアで洋裁・和裁、茶道・華道の指導を行うなど、地域文化の振興に貢献された。
1] 昭和元年北海道小樽新聞社の天盃御下賜記念文芸大会に俳句を投句して以来、北海道、青森県下北地方において地域に根ざした文芸活動を多年にわたり実践している。
同3年北海道石狩俳句会に、6年には俳誌・十和田に所属し、翌7年北海道札幌市「旭島声」の天位賞を受賞した。
2] 昭和14年青森県田名部町(現むつ市)に在住後は、下北の文芸活動拠点づくりを目指して日夜奔走し、同25年10月同人17名で俳句結社・あしかげ社を結成、俳誌「盧光」を発刊した。以来、季刊として毎年4回の発行を継続し現在146号を数えているが、その編集にも参画して下北俳句界におけるあしかげ社の地位を揺るぎないものにする原動力となった。現在の同人40名。
3] 俳誌・十和田は、昭和6年に創刊された青森県で最も古い歴史を有する月刊俳誌であったが、平成5年主宰者が亡くなったため62年間・734号で終刊した。このため俳誌・花林檎に移籍した。
氏は、俳誌・十和田に所属して以来、下北地域における文化芸術の草創期の基盤づくりに尽力し、91歳を迎えた今なお67年間1度も欠かすことなく生活感あふれる力作の出展を続け、現代女性俳人代表作品シリーズ掲載・青森よみうり月刊紙上俳句展等で数多くの賞を受賞するなど、活発な創作活動を続けている。
作風は、その地に住む者だけが知り得る自然・風土・生活の特色を活かして17文字に表す独自のもので、人々にやすらぎ、生きる喜び、感動を与える作品が多い。
4] 創作活動に励む傍ら、昭和10年から洋裁、和裁、同23年からは茶道、華道を自宅を開放して教え、32年からは地域の公民館、婦人団体、高等学校、川内町の幼稚園等においてボランティアでお茶やお花を指導するなど、幅広い活動を通じ地域文化の振興に寄与した。
(青森県教育委員会推薦)