齋藤 秀雄(さいとう ひでお)(昭4.2.10生・大分県大分郡野津原町)
大分県野津原町において、保護司として地域青少年の指導に努めるとともに、保護施設の補導者として寝食をともにして更生を援助するなど、青少年の犯罪予防と自立更生に貢献された。
1] 平成元年保護司の委嘱を受けて以来、犯罪に走った青少年の指導と更生保護に努め、大分郡保護区の野津原分区長として地域社会の犯罪予防活動を積極的に展開している。同4年3月から更生保護施設である豊州保護会の補導員・主幹として日夜、犯罪や非行の前歴のある青少年、成人と寝食をともにして更生を援助、数多くの青少年、成人を更生に導いている。
更生保護施設は民間の篤志家の寄付によって設立され、民間人により維持運営されている施設であり、刑務所出所者、少年院仮退院者、保護観察少年、起訴猶予者などが生活している。さまざまな理由により、親族、縁故の者からの援助を受けられず、宿泊、食事に窮迫している者を保護して更生についての指導助言を行い、自立を助けることを目的としている。
2] 近年は、青少年の覚せい剤事犯者や性格に片寄りのある非行少年などの処遇困難者が多いが、氏は地域社会において施設が役立つ存在でもあることを知ってもらおうと、毎週日曜の朝、収容者全員で施設近隣の道路と溝の清掃を、30〜40分かけて実施している。また、毎年2〜3回、施設近隣の河川の空き缶拾い等も実践するなど、地域との関わりを通じて収容者に社会へ奉仕する心の大切さを説いている。
3] 毎年7月の地元の祭りには準備から積極的に参加して、収容者数名が常に神輿の担ぎ手となり、また、毎週3回、移動スーパーマーケットの販売場所として施設の敷地の一部を提供し、近隣の主婦の交流場所にもなっている。
4] 平成4年から大分刑務所篤志面接委員、同5年からは人権擁護委員となり、地域社会の人権問題や少年非行等に関する相談にも積極的に携わり地域住民の信頼を得ているなど、青少年の非行化防止と更生に大きく貢献している。
((更)全国更生保護法人連盟推薦)