国嶋 司(くにしま つかさ)(昭28.3.22生・三重県久居市)
多年にわたりアフリカ東岸諸国の住民に対する学校建設、植林、井戸掘り等を実践、民間救援団体を発足させて幅広い国際協力活動を展開するなど、草の根の海外協力により国際社会に貢献された。
1] 昭和52年青年海外協力隊員としてタンザニアに派遣され5年間建築業務に携わった後、同58年干ばつに苦しむケニアに食料輸送用のトラックを送り届けたのを契機に、民間ボランティアとして活動し、平成3年までの9年間ケニアに滞在した。この間、救援の継続のため、現地に常駐する4名の日本人ボランティア、現地住民約50名をスタッフとして、60年4月に国際協力民間援助団体の「ミコノの会」を発足させた。
「ミコノ」とはスワヒリ語で「複数の“手”」を意味し、協力や支援はまず手を差し伸べることから始まる、との活動理念で地域住民の自助努力の手助けを実践している。また、自立には基礎教育が欠かせないとして、61年ケニア北東部の奥地ガリッサ県にブロック造りの小学校2校に2棟半の校舎を完成させ、平成元年には同県初の女子小学校を建てるなど、これまでに4つの教室をもつ学校を12校造っている。
また、建設した小学校の校庭や砂漠化する地域での植林、中学校進学者への奨学金、井戸掘り、ソマリア難民やケニア流民に医療チームを派遣する巡回医療活動も継続中である。
2] 平成3年4月に帰国後は、会社勤めの傍ら一般から寄付を募って救援資金集めや衣類、使用済みのピアニカなどをモザンビークやジブチ、ルワンダの難民キャンプへ送り届けるための救援活動に奔走している。氏の活発な活動が実り、同5年モザンビークヘ贈る衣料の提供を東海3県などに広く呼びかけた際には、284万着、68トンの衣類が寄せられ、現地入りしたメンバーが配った。
さらに、近畿洋上大学の講師やNPO研究委員として市民運動を盛り上げ、日本の若者の国際化促進に努める一方、平成8年11月には三重県の国際化推進プランの普及のため、講師を務めて「国際協力を考える」をテーマに“実践”を県民に呼びかけるなど、多岐にわたる国際協力活動を展開している。
(三重県推薦)