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故.山下 圭輔(やました けいすけ)(昭30.5.16生・福岡県柳川市)

平成9年8月13日午前11時15分頃、福岡県柳川警察署西宮永駐在所に勤務中、訪れた男に応対しようとしたところ、隠し持っていた刃物でいきなり左胸部を刺されたが怯まず、男を逮捕しようとしたが力尽きその職に殉じられた。

平成9年8月13日午後0時半過ぎ、警察に「午前11時15分頃、福岡県柳川市吉原町の西宮永駐在所から男が駆け去るのを目撃した。気になったので駐在所へ確認に行ったところ、警察官が血まみれで倒れている。」との通報があった。柳川警察署員が同駐在所に急行し確認したところ、氏は、左胸部を包丁で刺されたままの状態で事務室の床に倒れ、出血多量ですでに死亡していた。

警察署員が調べたところ、氏が携帯している拳銃、無線機、警察手帳等の装備品に異常はなく、駐在所内も荒らされてはいなかった。しかし、倒れた氏は右手を拳銃に添えた状態であり、その親指に防御創があったことから、同駐在所を訪れた犯人が話しかけながら氏に近づき、隠し持っていた刃物で突然、氏の左胸部を刺した。氏は重傷を負いながらも怯まず、犯人を制圧するため拳銃に手をかけようとして力尽き、その職に殉じられた。

至近距離から刃物で刺されながらも、咄嗟に拳銃を取り出して犯人を制圧しようとした、氏の職務に対する強い責任感は賞讃に値する。

複数の目撃情報などから、氏を刺殺した犯人は翌14日自宅で捜査員に逮捕された。

氏は、地域住民の強い要望もあって、昭和59年8月以来13年間にわたって西宮永駐在所の勤務を続けていたものであり、この間、所轄区内で発生した事件事故等のほとんどを解決するなど、地域の治安維持に大きく貢献をしていた。また朝夕のパトロールは欠かさず、住民とは必ず笑顔で挨拶し、駐在所を訪れる人への親切な応対や時には親身になって相談に応じるなど、住民との触れ合いを大切に勤務していた氏は、“気さくな駐在さん”として地域に親しまれていた。

((財)警察協会推薦)

 

 

 

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