5 諸外国の法律扶助制度
法律扶助制度は第2次世界大戦ののちに、各国で整備され、特に1970年代から飛躍的に整備されています。
法律扶助は、国民生活の安定のためになくてはならない制度として位置づけられ、各国ともその充実をはかっています。
法律扶助のサービス提供の方法は、一般の法律事務所で弁護士が援助する、ジュディケアと呼ばれるものと、法律扶助事件を専門に取り扱う事務所のスタッフがサービスを提供する方法がありますが、イギリス、カナダ、オーストラリアなどではこの2つの方法を組み合わせたサービス提供がなされています。
・・・・・イギリス
イギリスでは1949年に「法律扶助法」が作られ、この法律のもとで民事・刑事の法律扶助がなされています。1974年からは、法律相談や簡単な援助を取り扱う法的助言援助が整備され、1980年代には、下位裁判所や警察署で弁護士が助言を行う当番弁護士の制度が追加されました。
イギリスの制度には、伝統的にジュディケアの方式が採用され、
諸外国の民事に
(注1) 根拠法は、各国において本格的な法律扶助制度が整備された最初の法律と、その後に現在の制度の基本を整備した改正法を記載した。
(注2) イギリス関係:1LABは、同一法の下で、刑事被告事件(治安判事裁判所のみ)及び刑事被疑者事件の扶助も行なっており、両者を併させた事業規模は486億円(うち国庫負担482億円)となっている。2事業費と国庫負担の差額は利用者の負担金及び敗訴者からの回収金から成る。3LABの管理運営費は、全体として77億円であり、このうち76億8,000万円が国庫負担である。
(注3) フランス関係:1同一法の下で、刑事被告事件及び刑事被疑者事件の扶助も行なわれており、前者の事業費(推定額)は27億円である。2事業費は裁判扶助のみの支出額で、民事関係及び刑事関係を併せた全体額を調査によるそれぞれの支出割合に応じて分配して推定した。3利用者の負担金及び敗訴者からの回収金の収入は、別途国庫の歳入に計上されているが金額は不明である。4管理運営費は、一般の裁判所予算の中に混入している。
(注4) ドイツ関係:1利用者の負担金及び敗訴者からの回収金の収入は、別途国庫の歳入に計上されているが金額は不明である。2管理運営費は、一般の裁判所予算の中に混入している。
(注5) スウェーデン関係:1同一法の下で、刑事被告事件の扶助、犯罪被害者の公的補佐、精神障害者の強制保護収容等の公的補佐が限定されていたが、96年改正により、別の法律に移管された。2敗訴者からの回収金の収入は、別途国庫の歳入に計上されているが金額は不明である。3管理運営費は、一般の裁判所予算の中に混入している。