III 第2の課題 経営者の交代と企業パフォーマンス
1. 課題;1980年代後半、バブル期に生じた日本企業のコーポレート・ガバナンスの変化。
いぜん、メイン・バンクシステムのモニタリング有効(Kaplan 1994, Kang and Shivsadani 1995, Morck and Nakamura 1992, Sheard 1994)
どう変化したのか?
● 経営者の交代・外部役員派遣と企業パフォーマンスに関する同一の計測式・同一のサンプル・異なった期間による計測。
2. データ
● 57、64、72年の製造業上位150社をプールしたデータベース(204社)からランダムに100社を抽出。(表1)
3. モデル: = Logit
Turn i = f(Pi, Pi * Govi, LS, age)
Insider 株主
Outsider 債権者
Non-routine turnover 内部者=従業員
序列づけられた関与
● 企業を構成するステークホルダーのうち誰の利害と経営者の交代はもっとも関係が深いか?
Contingent Governance(Aoki);コントロール権移動点への着目
● 企業を構成するステークホルダーの利害の代理変数
● ガバナンスの構造が経営者の交代に影響を与えるか?
<被説明変数>
1) All Turnすべての交代:All Turn=1、その他=0
2) 内部者による交代か外部者か?:Insider=1、Outsider=2
3) コントロール移動点が多様であることを考慮した場合。
● Out Exec.;社長は交代しないが、外部派遣役員の専務以上の就任をともなうボードの変化。
● Insider2;役員派遣(専務以上)をともなう。
● Outsider;外部者による交代
変数の設定:Out Exec.=1、Insider=2、Outsider=3、その他=0
4) Non-standard Turnover=交代社長が会長に就任しなかったケース
通常の交代 Standard Turnover=1、異例の交代=2 その他=0