2. 初期条件;1980年代初頭のMB関係
(1) メインバンク関係の特質
● 負債の拘束効果VS状態依存ガバナンス(青木)
● MBはどこがユニークか?
1. 通常の債務契約(Aghion and Bolton 1992)、デフォルトの際の外部者から内部者への経営権の移動
特定の債権者が負担を負わない。
2. 状態依存ガバナンス(Aoki 1994)
● メインバンク領域をインサイダーコントロール領域と清算領域の間に固有の領域をもつ。
● 部分的な経営権の移転。
● 負債契約は、救済条項付きの契約と考えられる。
3. 問題、何故こうした関係が形成されたか:なぜ、銀行は救済するのか。(MB レントと名声)/なぜ、救済が期待されているのにモラル・ハザードが起きないか。
2) 80年初頭の企業・銀行関係
● 石油ショック後、変容開始、
● 減量経営─進展度に差・分化
● MB関係─企業の側のコミットメント低下
所有構造の分化
● 高度成長期 MBがガバナンスに中心的役割を演ずる経営者企業+所有型
1980年前後、
1) MBがモニターの中心を演ずる経営者企業、
2) 事業会社がモニターの中心を演ずる経営者企業、
3) 中心的なモニターが不在となった経営者企業、
4) 所有型
3. 救済オプション付き負債契約のモデル
前提;経営者による負債決定/情報の非対称性仮定しない。
負債の決定要因;救済オプションに対する需要。企業経営者のモニタリングからの回避の要求
