いるのですが、日本の銀行というのはかつてはある種のベンチャーキャピタルを供給するような役割を果たしていたのです。例えばソニーとかホンダが立ち上がってくるときは、よく引き合いに出されますが、今、鈴鹿サーキットがありますけれども、四輪にいく前の一番最初の大きなプロジェクトで、あそこにオートバイの大きな工場をつくるときは、5年間の投資計画で、投資計画自身は既存の固定資産の20倍だったのです。これを三菱銀行がメインバンクになって、初期の資金の大体5割ぐらいを貸して、それに協調融資がついて、そのシグナルで株価が上がったみたいな良好なメカニズムの資金調達が行われました。ソニーがアメリカ市場で売れて、ニューヨークを中心にトランジスタを売り出す。厚木か何かに工場をつくるときも全く同じようなことをやって、そのときは、今のさくらですが、三井銀行がメインバンクでした。ですから、1950年代から60年代前半ぐらいですけれども、メインバンクもある種のベンチャーキャピタルを供給するような役割をやった。そのような役割を興銀などに期待する向きもあるのですが、現在の状況だと、かなり難しいみたいですね。というような感じです。
司会者 どうもありがとうございました。では、もうございませんでしょうか。
では、そろそろ終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
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